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自動運転機能付き軽自動車のおすすめは?現状と共に解説

更新日: 2025/5/9投稿日: 2025/5/9

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自動運転機能付き軽自動車のおすすめは?現状と共に解説

「高速道路で長距離を走るとき、自動運転機能があると楽なのに」と思うことがありませんか?

近年は普通車はもちろん、軽自動車であっても、高速道路や自動車専用道路での速度のコントロールを自動で行ったり、車線から外れることを防止したりしてくれる車(運転支援車)が登場しています。
自分でも買える車種があるのかどうかは、気になるポイントですよね。

そこで今回の記事では、自動運転付きの軽自動車について、以下の内容を解説します。

  • 自動車の自動運転レベルについて
  • 軽自動車に搭載されている主な運転支援装置の種類
  • 運転支援装置がついている軽自動車のおすすめ

自分にピッタリの軽自動車が欲しいという方は、ぜひ最後まで記事をご覧ください。

自動車の自動運転とは?レベル2以下とレベル3以上で機能が大きく違う!

自動運転とは、車両がシステムやAIを利用してドライバーの運転を支援する、あるいはドライバーの代わりに運転を行う技術です。

自動車の自動運転には、レベル0~5までの段階があり、数字が大きいほど、システムによる運転操作への介入が大きくなります。

自動運転レベルはアメリカの非営利団体「SAE International(自動車技術者協会)」によって定められており、その内容は以下のとおりです。

レベル概要
0一切の自動化が行われていない状態
1アクセル・ブレーキ操作またはハンドル操作のどちらかが、部分的に自動化された状態。
2アクセル・ブレーキ操作およびハンドル操作の両方が、部分的に自動化された状態。
3特定の走行環境条件を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態
ただし、自動運行装置の作動中、自動運行装置が正常に作動しないおそれがある場合においては、運転操作を促す警報が発せられるので、適切に応答しなければならない。
4特定の走行環境条件を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態。
5自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態。

特にレベル2とレベル3の間の違いは大きく、レベル3以上の自動運転では、特定の条件下で自動運行装置が人間に代わって、全ての運転操作を行えます。
表に記されている通り、特定の走行条件下であれば自動運行装置が運転操作の全部を代替するので、運転者が前方から目を離すこと(アイズオフ)が可能です。

一方で、レベル2以下の自動運転は、あくまで運転を行うのは人間で、システムはドライバーの運転操作を「支援」するにとどまります。そのため、レベル2以下の自動運転機能を備えている自動車は、厳密に言えば「運転支援車」であり、自動運転車ではありません

レベル2以下の機能の例としては、以下のようなものがあります。

  • 衝突を回避するために自動的にブレーキを作動させる機能
  • 車線を維持して前方の自動車を追走する機能
  • 高速道路での分流・合流を自動的に行う機能
    など

レベル2の自動車については、市販化が行われており、誰でも購入が可能です。
レベル3の自動運転車は、ホンダのLEGEND(レジェンド)によって世界で初めて実現しましたが、生産台数が限定されており、既に市販されていません。
レベル4の自動運転車は、バスなどへの限定的な環境での導入にとどまっていて、一般的な乗用車では実用化されていないのが現状です。

以上のことから、現在一般に「自動運転機能付きの軽自動車」と認識されている車は、人間の運転操作を支援してくれる「運転支援車」にすぎないと認識する必要があります

軽自動車に搭載されている6つの運転支援機能例について

現在日本国内で市販されている軽自動車には、普通乗用車と比較してもそん色のない運転支援機能(レベル1または2の自動運転を実現するための機能)がついています。特に、衝突被害軽減ブレーキは、国産新型車への装備が義務付けられており、継続生産車についても2025年12月から義務化される予定です。

以下では、軽自動車に搭載されている運転支援機能の例を紹介します。

衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)

衝突被害軽減ブレーキ(AEBS, Advanced Emergency Braking System)は、前方を走行する車両などに衝突しそうになったときに、ブレーキを自動的に作動させるシステムです。また、国内の基準では、ブレーキが作動するよりも少なくとも0.8秒前に、運転者に対して衝突回避操作を促すための警報を作動させることが定められています。

出典:衝突被害軽減ブレーキの性能評価認定結果公表(国土交通省)

車線逸脱警報(LDW)

車線逸脱警報(LDW, Lane Departure Warning)は、カメラなどで車線を認識し、自動車が車線を逸脱しそうだと判断したときには、警報音やディスプレイへの表示などによって、運転者に注意を促す機能です。(方向指示器を出しているときなど、車線をまたぐことが前提となる状況下では作動しません)

ハンドルを振動させて、運転者への警告を行う機能を備えた車種もあります。

車線維持支援制御装置(LKAS)

車線維持支援制御装置(LKAS, Lane Keeping Assistant System)は、自動車が車線を逸脱しそうだと判断したときに、ハンドル操作を自動的に行い、車線の走行維持を支援する装置です。また、警報音やディスプレイの表示によって、運転者に注意を促す、車線逸脱警報と同様の機能も併せ持っています。

ブラインドスポットモニター(BSM)

ブラインドスポットモニター(BSM, Blind Spot Monitor)は、運転者から死角となりやすい斜め後方にいる車両をレーダーなどによって検知して、運転者に注意を促す(ドアミラーに装着されたLEDが点灯するなど)機能です。

誤発進抑制機能

誤発進抑制機能は、停車時や低速走行時等に、自車付近に障害物があるにもかかわらずアクセルペダルが踏み込まれた際に、急加速を防止する機能です。駐車場で特に発生しがちな、アクセルとブレーキの踏み間違いによる事故を防止する効果があります。

アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)/定速走行・車間距離制御装置

アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC, Adaptive Cruise Control)は、アクセルやブレーキ操作を自動的に行い、運転を支援する装置です。ACC、クルコンなどと呼ばれますが、日本語では「定速走行・車間距離制御装置」と呼びます。

ACCは、レーダーやカメラによって前方の車を検知し、適切な車間距離を保ちながら前方の車に追従します。前方の車が存在しないときは、運転者が設定した速度で自動的に走行を継続します。

先行車への追突防止に加えて、運転者の疲労を軽減したり、上り坂での無意識下の減速による渋滞発生を抑制できたりする利点があります。しかし、あくまで運転支援装置なので装置への過信は禁物です。また、高速道路・自動車専用道路での使用が前提の装置なので、一般道では使用しないようにしましょう。

自動運転レベル2の軽自動車のおすすめ7車種

車線維持機能(LKAS)と定速・車間距離制御装置(ACC)を備えた軽自動車は、高速道路・自動車専用道を走行するときに、速度制御と車線維持の双方を運転者に代わって行えます。すなわち、レベル2の自動運転に相当する機能を備えていることになります。

ここでは、LKASとACCの両方を備えている軽自動車の中から、おすすめの7車種と、その特徴を紹介します。なお、搭載機能などの情報は2025年4月時点のものです。

日産:デイズ ハイウェイスター(プロパイロットエディション)

引用:日産:デイズ [ DAYZ ]

日産 デイズは、21種類のカラーラインナップで人気の車種です。LKASとACCに相当する運転支援装置の「プロパイロット」や、2台前の車の動きを察知して音と表示で知らせる「インテリジェントFCW(前方衝突予測警報)」を、軽自動車としては初めて搭載しています。

プロパイロットは渋滞時にも前方の車に追従する機能がついているので、渋滞している道路での運転者の疲労を軽減してくれます。なお、プロパイロットは「プロパイロットエディション」の名がついたグレードのみの搭載なのでご注意ください。

また、誤発進を抑制する踏み間違い衝突防止アシストは、壁などの障害物に加えて、歩行者を検知して衝突を防止する性能を有しています。

「自動車安全性能2020年度」において、最高評価の「ファイブスター賞」を軽自動車としては初めて獲得しており、安全性に対する評価が高い車種です。

発売年月2019年3月28日
※その後もマイナーチェンジモデルあり
希望小売価格(税込)1,798,500円(ハイウェイスターX プロパイロットエディション 2WDの場合)
特徴・インテリジェントFCW
・踏み間違い衝突防止アシスト(歩行者検知機能付き)
・事故自動通報システムSOSコール
・7個のエアバッグ

日産:ルークス ハイウェイスター(プロパイロットエディション)

引用:日産:ルークス [ ROOX ]

日産 ルークスは軽自動車としてはトップクラスの室内の広さを誇る車種です。広いラゲッジルームや、ハンズフリーオートスライドドアを備えており、ファミリー向けとして位置付けられています。

駐車のサポート機能や、踏み間違い衝突防止アシストといった安全装備も充実しているので安心です。「自動車安全性能2021年度」において「ファイブスター賞」を獲得しています。

ルークスも、プロパイロットは「プロパイロットエディション」の名がついたグレードのみの搭載です。

発売年月2020年3月19日
※その後もマイナーチェンジモデルあり
希望小売価格(税込)2,049,300円(ハイウェイスターX プロパイロットエディション 2WDの場合)
特徴・広い室内
・足で開けられるハンズフリーオートスライドドア
・インテリジェントFCW
・踏み間違い衝突防止アシスト(歩行者検知機能付き)
・事故自動通報システムSOSコール
・7個のエアバッグ

日産:サクラ

引用:日産:サクラ [ SAKURA ]

日産 サクラは、日産の軽自動車としては初の電気自動車(EV)です。電気自動車ならではの加速の良さや静かさが特徴。

駐車スペースへの駐車を自動的に行ってくれる「プロパイロット パーキング」を、日産の軽自動車では唯一搭載していることが特徴です(プロパイロット パーキングはサクラ Gのみ搭載)。「自動車安全性能2022年度」において「ファイブスター賞」を獲得しており、安全性も高く評価されています。

発売年月2020年3月19日
※その後もマイナーチェンジモデルあり
希望小売価格(税込)2,599,300円(サクラXの場合)
特徴・電気自動車(EV)
・インテリジェントFCW
・踏み間違い衝突防止アシスト(歩行者検知機能付き)
・事故自動通報システムSOSコール
・7個のエアバッグ
駐車を自動で行うプロパイロット パーキング(サクラGのみ)

ホンダ:N-BOX

引用:スタイリング・インテリア|N-BOX

ホンダ N-BOXは、車内の広さや高さなどが人気の、軽自動車としては国内で最も売れている車種です。

ホンダの軽自動車の中では最も安全運転支援システムが充実していることが特徴で、駐車時に障害物に衝突しないように自動的にブレーキをかける「近距離衝突軽減ブレーキ」は、ホンダの軽自動車ではN-BOXのみに搭載されています。また、ACCは渋滞追従機能が付属。事故を予防する各種機能や、衝突に対する安全性への評価も高く「自動車安全性能2023年度」において「ファイブスター賞」を獲得しています。

発売年月2023年10月16日(3代目)
※その後もマイナーチェンジモデルあり
希望小売価格(税込)1,689,600円(N-BOX 2WDの場合)
特徴・広さ、高さともに軽自動車としては大きめ
・道路からのはみだしを抑制する、路外逸脱抑制機能
・歩行者を検知してステアリングを操作し衝突を回避する、歩行者事故低減ステアリング
・駐車時の壁などへの衝突を防ぐ、近距離衝突低減ブレーキ
・低速走行時・発進時の壁などへの衝突を防ぐ、誤発進抑制機能、後方誤発進抑制機能

三菱:ekクロス(Premium)

引用:eKクロス

三菱 ekクロスは、SUVのようなデザインで、車の運転をレジャーとして楽しみたい人やアウトドア派の人に人気のある車種です。「G Premium」や「T Premium」のグレードには、LKASおよびACCに相当する「マイパイロット」が標準装備されており、マイパイロットには渋滞追従機能もついています。

踏み間違い防止アシスト機能は、日産の軽自動車と同様に、歩行者検知にも対応。2台前の車の動きを検知して、減速が必要と判断した場合には警報を鳴らす、前方衝突予測警報もついています。

発売年月2022年9月8日
希望小売価格(税込)1,840,300円(G Premium 2WDの場合)
特徴・2台前の車の動きを検知する、前方衝突予測警報機能
・踏み間違い衝突防止アシスト(歩行者検知機能付き)
・ルームミラーにカメラ映像を映す、デジタルルームミラーへの切り替え可能
・7個のエアバッグ
・雪道やぬかるんだ道などでの発進を支援する、グリップコントロール

ダイハツ:タント

引用:【公式】タント

ダイハツ タントはセンターピラーレス(前ドアと後ドアの間の柱がない)で乗り降りがしやすいことや、運転席のスライド幅が広く、後部座席に座る子どもの世話がしやすいといったことが特徴の、主にファミリー向けの軽自動車です。

LKC(ダイハツのLKAS)やACCなどの運転支援機能をひとまとめにした「スマートクルーズパック」を「タント L」以外のグレードの車にオプションとして付加できます。ACCは渋滞にも対応。また、駐車時に音声・モニターガイドとハンドル操作のアシストを行う「スマートパノラマパーキングアシスト」も、別途オプションで付加できます。

発売年月2019年7月9日(4代目)
※その後もマイナーチェンジモデルあり
希望小売価格(税込)1,617,000円(X 2WDの場合)
特徴・センターピラーレスで乗り降りしやすい
LKCACCなどをひとまとめにした機能をオプションで追加可能
・スマートパノラマパーキングアシストなどの機能をオプションで追加可能

スズキ:ワゴンR(ハイブリッド)

引用:ワゴンR

スズキ ワゴンRは、長い歴史や燃費の良さが評価されている車種です。「ワゴンR FX」を除いた、ハイブリッドタイプのグレードに、車線逸脱抑制機能(LKAS)とACCが装備されています。ACCは渋滞にも対応しています。

運転席前方のダッシュボード上に、スピードやナビゲーションの情報などを表示するヘッドアップディスプレイを、オプションで取り付けられることが特徴。軽自動車としては初めて採用された装備です。

発売年月2017年2月1日(6代目)
※その後もマイナーチェンジモデルあり
希望小売価格(税込)1,463,000円(HYBRID FX-S 2WDの場合)
特徴・車両が軽量で、燃費が軽ワゴン車の中ではトップクラスに良い
・傘立て、ドアポケット、カードホルダー、ドリンクホルダーなどの、車内の収納が充実
・リアシートを倒して、荷物積載スペースにできる
・ヘッドアップディスプレイを装着可能
・低速走行時・発進時の壁などへの衝突を防ぐ、誤発進抑制機能、後方誤発進抑制機能

軽自動車の運転支援装置の過信は厳禁

現状の自動運転関連装置はあくまで「支援装置」

近年は軽自動車においても様々な運転支援装置が装備されていますが、過信は厳禁です。これらの装置はあくまで「支援装置」であり、自動車メーカー各社は「自動運転システムではありません」と明示しています

参考例:Honda SENSING | FIT 2023 | Honda

運転支援装置は、運転者が自分で注意を払って自動車を運転することは前提とした上で、歩行者の見落としや、ハンル操作のふらつきなどの事故につながる動作を防いだり、運転者の疲労を軽減したりすることが目的の装置です。

装置の検知能力や制御能力には限界があるので、運転者は装置を過信せず前方を注視していなければなりません。万が一、運転支援装置の性能の不足などが原因で事故を起こしてしまった場合にも、運転支援装置のない自動車で事故を起こした場合と同様に、事故の責任は運転者にあります

軽自動車の10万台あたりの死亡事故件数は普通車よりも多い

運転支援装置の性能には限界があり、事故を全て防ぐことはできません。中古車であればそもそも、衝突被害軽減ブレーキなどが装備されていない場合もあります。

また、自車に運転支援装置が装備されていても、他車には装備されていない場合もあるため、事故は一定の確率で起きるのが現実です。

2024年の日本では、2,598件の交通死亡事故が起きており、うち615件は軽自動車が第1当事者(最初に交通事故に関与した当事者のうち、最も過失の重い者)となっています。なお、普通乗用車が第1当事者となった死亡事故は677件で、件数でいえば軽自動車の方が少なくなっています。

参考:令和6年中における交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況等について 3.死亡事故の状況(8)当事者別の状況 表3-8 第1当事者別死亡事故件数の推移より

ただし、2024年12月の統計では、国内の軽乗用車の保有車両数は23,504,976台、普通乗用車の保有車両数は38,816,540台となっています。そのため、自動車10万台あたりの死亡事故件数は、軽乗用車が2.62件、普通乗用車が1.74件で、軽自動車の方が多いです。

軽自動車は普通車よりも重量が軽いため、他車との衝突事故を起こしてしまうと弾き飛ばされやすいことが、死亡事故につながると考えられています。

参考:自動車保有車両数 月次 2024年12月

ただしこのデータが示しているのは、軽自動車でも普通車でも事故はある程度発生しているということであって、軽自動車は危険だから普通車にするべきだ、ということではありません

各車種に搭載されている運転支援装置や、事故が起きた時のための装備などを吟味した上で「これならば安心して乗車できる!」と、納得できる車種を選択しましょう。

【まとめ】自動運転レベル2の軽自動車はもはや一般的!用途や好みに合わせて車種を選ぼう

自動運転レベル2に相当する、高速道路・自動車専用道路での運転支援は、軽自動車においてももはや一般的です。軽自動車の仕様は自動車メーカーごとに特色がありますので、用途や好み、必要とする運転支援装置の種類などに応じて車種を選択しましょう。

今後も当メディアでは、自動運転やEVなどのモビリティなどに関するニュースをまとめて発信していきます。最新情報が気になる場合は、ぜひ定期的にチェックしてみてください。

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