自動運転バスとは?日本の導入事例・メリット・課題・今後の展望をわかりやすく解説【2026年最新】

更新日: 2026/6/27投稿日: 2025/5/9

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自動運転バスとは?日本の導入事例・メリット・課題・今後の展望をわかりやすく解説【2026年最新】
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「自動運転バスって実際にどこで走っているの?」「普通のバスと何が違うの?」

自動運転バスとは、AIやセンサー技術を活用して運転手なし(または最小限の監視員)で運行できるバスのことです。日本では2023年以降、レベル4の自動運転バスが複数地域で運行を開始しています。

本記事では、自動運転バスの定義・仕組みから、日本国内の最新導入事例、メリット・課題、主要車両メーカー、政府目標と今後の展望まで2026年最新情報をもとにわかりやすく解説します。

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自動運転バスとは?基本の仕組みと特徴

自動運転バスは、従来の路線バスに自動運転技術を導入した次世代の公共交通手段です。ドライバー不足や過疎地の交通問題を解決する切り札として、世界中で導入が加速しています。

自動運転バスの定義と仕組み

自動運転バスとは、カメラ・LiDAR・GNSS(衛星測位)などのセンサーとAIを搭載し、あらかじめ設定されたルートを自律的に走行するバスのことです。

一般的な自動運転バスの仕組みは以下の通りです。

  • 認知:カメラやLiDARで周囲の歩行者・車両・障害物を検知
  • 判断:AIが走行ルートや速度、停車・回避などの行動を決定
  • 制御:ステアリング・アクセル・ブレーキを自動で操作
  • 通信:遠隔監視センターとリアルタイムで接続し、異常時には遠隔操作も可能

多くの自動運転バスは電動(EV)であり、環境負荷が低いことも大きな特徴です。

自動運転レベル4とは?

自動運転には0〜5の6段階のレベルがありますが、現在日本で運行されている自動運転バスの多くはレベル4(高度運転自動化)に該当します。

レベル4とは、特定の条件下(決められたルート・速度・天候など)でシステムが全ての運転操作を行い、人間の介入が不要な段階です。ただし、運行エリアや条件が限定されているため「完全自動運転」ではありません。

レベル名称運転の主体バスでの適用例
2部分運転自動化人間運転支援付きバス(ドライバー常駐)
3条件付運転自動化システム(緊急時は人間)限定的な自動運転バス
4高度運転自動化システム特定ルートでの無人運転バス
5完全運転自動化システムあらゆるルートで無人運転(未実現)

通常のバスとの違い

自動運転バスと従来の路線バスには、以下のような違いがあります。

比較項目自動運転バス従来の路線バス
運転手不要(または監視員1名)必須(大型二種免許保持者)
運行ルート固定ルート(事前設定)柔軟に変更可能
最高速度時速20〜40km程度一般道で時速60kmまで
車両サイズ小型〜中型が主流大型バスが主流
動力EVが多いディーゼル・CNG・EVなど
運行コスト初期投資は高いが人件費削減人件費が運行コストの大部分

現時点の自動運転バスは速度や車両サイズに制約があるものの、技術の進歩とともに従来のバスとの差は縮まりつつあります。

日本の自動運転バス導入事例【2026年最新】

引用:東京都「バスなど公共交通への自動運転サービスの導入に向けたガイドライン」

2026年4月時点で、日本国内では30を超える自治体・地域で自動運転バスの実証実験または定常運行が行われています。ここでは代表的な事例を紹介します。

福井県永平寺町 ― 日本初のレベル4認可

永平寺町は日本で初めてレベル4自動運転の運行許可を取得した自治体です(2023年5月)。参道約2kmの区間で、電磁誘導線を使った自動運転カートが運行しています。

最高速度は時速12kmと低速ですが、高齢者の移動手段として地域住民に定着しています。運行はヤマハ発動機製の車両を使用し、遠隔監視センターから1名が複数台を同時に監視する体制です。

茨城県境町 ― 自治体初の定常運行

境町は2020年11月から、自治体として日本で初めて自動運転バスの定常運行を開始しました。SBドライブ(現BOLDLY)が運行を担い、仏ナビヤ社製のARMA(アルマ)を使用しています。

町内の公共施設や医療機関を結ぶルートで運行しており、住民の日常的な移動手段として活用されています。2024年以降はルートの拡大や増便も実施されました。

東京都 ― 都市部での実証が加速

東京都では、臨海副都心エリアや西新宿エリアで自動運転バスの実証実験が繰り返し行われています。2025年には都営バスのルートの一部で自動運転技術を活用した実証も開始されました。

都市部では歩行者・自転車・他車両が多い混合交通環境のため、郊外や過疎地とは異なる技術的課題がありますが、東京都は2030年までに自動運転バスの本格導入を目指しています。

広島県 ― 中山間地域での取り組み

広島県では、三次市や庄原市などの中山間地域で自動運転バスの実証実験が行われています。高齢化率が高く、バス路線の廃止が相次ぐ地域で、自動運転バスは住民の「足」を確保する重要な手段と位置づけられています。

2025年度には県の補助事業として複数ルートでの実証が拡大し、2026年度以降の定常運行を目指しています。

その他の注目地域

全国各地で自動運転バスの導入が進んでいます。主な事例を一覧にまとめます。

地域概要車両・運営
北海道上士幌町道の駅を拠点とした自動運転バス運行BOLDLY / ARMA
石川県小松市小松駅周辺でのレベル4実証マクニカ / EasyMile
滋賀県大津市比叡山エリアでの観光路線先進モビリティ
福岡県北九州市工業地帯と住宅地を結ぶルートSBドライブ / ARMA
大阪府・万博会場2025大阪万博でレベル4バスを運行複数社

自動運転バスの4つのメリット

ドライバー不足の解消

日本のバス業界では深刻なドライバー不足が続いており、2030年には約3.6万人が不足すると予測されています。

自動運転バスは運転手が不要(または監視員1名のみ)であるため、人材確保の課題を根本的に解決できます。特に2024年問題(働き方改革による労働時間制限)以降、バス会社の人手不足はさらに深刻化しており、自動運転への期待が高まっています。

地方の公共交通の維持

過疎地域では利用者の減少と運転手不足により、路線バスの廃止・減便が相次いでいます。自動運転バスは人件費を大幅に削減できるため、採算が取りにくい地方路線でも運行を維持しやすくなります。

実際に永平寺町や境町では、自動運転バスが住民の日常的な移動手段として定着しており、「交通空白地帯」の解消に大きく貢献しています。

安全性の向上

バスの事故原因の多くはヒューマンエラー(居眠り・不注意・判断ミス)です。自動運転システムは360度のセンサーで常に周囲を監視し、人間よりも早く危険を検知・回避できます。

海外の実証データでは、自動運転バスの事故率は有人運転バスの約1/5というデータも報告されています。ただし、低速走行が前提であることや、運行環境が限定的であることを考慮する必要があります。

運行コストの長期的な削減

自動運転バスの導入には高額な初期投資(車両・システム・インフラ整備)が必要ですが、長期的には以下のコスト削減効果が見込まれます。

  • 運転手の人件費削減(路線バスの運行コストの約50〜60%が人件費)
  • EV化による燃料費削減
  • AIによる最適運行スケジュールの策定で稼働率向上
  • 事故減少による保険料・修繕費の低減

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自動運転バスが抱える4つの課題

引用:地域交通の現況について

悪天候への対応

大雨・降雪・濃霧などの悪天候時は、センサーの検知精度が大幅に低下します。特にLiDARは雨や雪の粒子に反応して誤検知を起こしやすく、カメラも視界不良時の認識精度が落ちます。

日本は四季の変化が激しく、豪雪地帯や台風の多い地域も多いため、全天候型の自動運転バス実現は大きな技術的課題です。現在は悪天候時の運行を中止するケースが多く、代替交通手段の確保も必要になります。

混合交通環境での運行

都市部では歩行者・自転車・バイク・乗用車・トラックなど多様な交通参加者が混在しています。予測不能な動き(急な飛び出し、信号無視など)に対応する必要があり、現在のAI技術では完全に対処しきれないケースもあります。

そのため、多くの自動運転バスは専用レーンや交通量の少ない路線で運行しています。都市部での本格導入には、インフラ側の整備(専用レーン設置、信号連携など)も不可欠です。

導入コストの高さ

自動運転バス1台あたりの導入コストは、通常のバスの3〜5倍程度とされています。車両本体に加え、高精度3Dマップの作成、遠隔監視システムの構築、通信インフラの整備など、付帯コストも大きくなります。

費用項目概算費用備考
車両本体3,000万〜8,000万円メーカー・仕様により異なる
高精度マップ作成500万〜2,000万円ルートの長さ・複雑さによる
遠隔監視システム1,000万〜3,000万円監視センター構築含む
通信インフラ500万〜1,500万円5G基地局設置など

国や自治体の補助金制度を活用することで初期投資の負担を軽減できますが、地方の中小バス事業者にとっては依然として大きなハードルです。

法整備と社会的受容

日本では2023年に改正道路交通法が施行され、レベル4の公道走行が解禁されましたが、運行許可の取得には厳格な審査が必要です。運行設計領域(ODD)の設定、安全性の立証、事故時の責任体制の明確化など、多くの要件をクリアしなければなりません。

また、住民の心理的な受容も重要な課題です。「無人バスは怖い」という不安の声は根強く、導入にあたっては住民説明会の実施や試乗体験など、丁寧なコミュニケーションが求められます。

自動運転バスの主要車両メーカー・開発企業

BOLDLY(ボードリー)

BOLDLYはソフトバンクの子会社で、日本国内で最も多くの自動運転バス導入実績を持つ企業です。仏ナビヤ社製のARMA(アルマ)を採用し、茨城県境町、北海道上士幌町、福岡県北九州市など全国20か所以上で運行実績があります。

遠隔監視・運行管理プラットフォーム「Dispatcher」を独自開発しており、1人のオペレーターが複数台を同時監視できる体制を構築しています。

先進モビリティ

先進モビリティは、大型バスの自動運転化に強みを持つ日本の技術企業です。既存のバス車両に後付けで自動運転システムを搭載する技術を持ち、導入コストの低減に貢献しています。

滋賀県大津市や群馬県前橋市など複数の地域で実証実験を行い、中山間地域から都市部まで幅広い環境での運行ノウハウを蓄積しています。

マクニカ

マクニカは半導体商社大手で、仏EasyMile社の自動運転シャトル「EZ10」の日本総代理店として自動運転バス事業を展開しています。石川県小松市や愛知県春日井市など多数の地域で実証・運行を実施しています。

EZ10は最大15名乗車可能な小型シャトルで、ラストマイル(最寄り駅から目的地までの短距離移動)に適した設計です。

日野自動車・トヨタ ― 大型車両の自動運転

日野自動車はトヨタグループの一員として、大型バスの自動運転技術を開発しています。トヨタの自動運転技術ブランド「Teammate」と連携し、高速バスや長距離路線バスでの自動運転実用化を目指しています。

2025年度には東名高速道路の一部区間で大型自動運転バスの実証実験が行われ、レベル4での高速道路走行に向けた技術検証が進んでいます。大型バスの自動運転が実現すれば、都市間移動のあり方が大きく変わる可能性があります。

政府目標と今後の展望

引用:事業用自動車の交通事故統計(令和5年版)

2027年度「全国100か所以上」の目標

日本政府は「2027年度までに全国100か所以上で無人自動運転移動サービスを実現する」という目標を掲げています(デジタル田園都市国家構想)。

2026年4月時点で約30〜40か所での運行・実証が行われていますが、目標達成にはさらなるペースアップが必要です。国土交通省は補助金の拡充や規制緩和を進め、自治体の導入を後押ししています。

2030年の普及シナリオ

2030年に向けて、自動運転バスの普及は以下のような段階で進むと予測されています。

時期普及段階想定される状況
2026〜2027年初期導入期全国100か所での運行実現、主に過疎地・観光地
2028〜2029年拡大期地方都市の幹線路線に拡大、大型バスの自動運転も開始
2030年以降本格普及期都市部の路線バスにも導入、MaaS連携が標準化

技術の成熟とコスト低下が進めば、2030年代には自動運転バスが日本の公共交通の標準的な選択肢となる可能性があります。

MaaS(マース)との連携

MaaS(Mobility as a Service)とは、バス・電車・タクシー・シェアサイクルなど複数の交通手段を一つのアプリで検索・予約・決済できるサービスのことです。

自動運転バスはMaaSの重要な構成要素であり、AI最適ルート検索やオンデマンド運行との組み合わせにより、利便性が飛躍的に向上します。例えば、自動運転バスが最寄り駅まで送迎し、電車で目的地付近まで移動、到着後はシェアサイクルで最終地点へ――というシームレスな移動体験が実現します。

トヨタの「my route」やWILLERの「mobi」など、国内でもMaaSアプリの開発・導入が進んでおり、自動運転バスとの統合が今後の大きなテーマとなっています。

自動運転バスに関するよくある質問

自動運転バスの最高速度は?

現在日本で運行されている自動運転バスの多くは、最高速度が時速20〜40km程度です。安全性を最優先するため、一般の路線バスよりも低速での運行が基本です。技術の進歩とともに速度の引き上げが検討されていますが、当面は生活道路や住宅地などの低速環境が主な運行エリアとなります。

自動運転バスに運転手は乗っている?

レベル4の自動運転バスでは運転手は不要ですが、現在の多くの運行では安全のために「保安員」や「遠隔監視員」が配置されています。車内に保安員が同乗するケースと、遠隔監視センターからカメラで見守るケースがあります。完全に無人での運行は、永平寺町など一部の地域に限られています。

自動運転バスの事故は起きている?

日本国内の自動運転バスで重大な事故は報告されていません。ただし、軽微な接触や急停止などのトラブルは発生しています。自動運転バスは安全側に倒した設計(障害物を検知したら即停止)のため、重大事故のリスクは低いとされていますが、急停止による車内での転倒などには注意が必要です。

自動運転バスは無料で乗れる?

実証実験段階では無料で乗車できるケースが多いですが、定常運行に移行した路線では運賃が発生します。境町のように自治体が運行費用を負担し無料で運行している事例もありますが、今後の持続的な運行のためには適切な運賃設定が課題となっています。

【まとめ】自動運転バスは日本の公共交通の未来を変える

引用:令和元年度乗合バス事業の収支状況について

自動運転バスは、ドライバー不足・地方交通の維持・安全性向上・コスト削減という4つの社会課題を同時に解決できる可能性を持つ次世代の公共交通手段です。

2026年現在、日本では永平寺町のレベル4運行を筆頭に、全国30か所以上で自動運転バスの運行・実証が行われています。政府は2027年度までに100か所以上での無人運行を目指しており、今後数年で導入地域は急速に拡大する見通しです。

悪天候対応や混合交通環境での安全確保、導入コストの低減など課題は残りますが、技術の進歩と社会制度の整備により、2030年代には自動運転バスが日本の公共交通の標準となる日が来るかもしれません。

自動運転バスの最新動向に引き続き注目していきましょう。

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