EVとは?HV・PHV・FCVとの違いや他の車との違いをわかりやすく解説
更新日: 2025/2/28投稿日: 2025/2/28
EV
「EVってよく聞くけど、HVやPHV、FCVとは何が違うの?」
「結局どの車が一番環境に優しいの?」
電動車の種類が増えているため、それぞれどのような特徴があるのか知りたい人も多いのではないでしょうか。EV(電気自動車)は、ガソリンを一切使わず電気だけで走る車のことです。加えて、HV(ハイブリッド車)やPHV(プラグインハイブリッド車)、FCV(燃料電池車)との違いを知っておくと、よりEVについての理解が深まります。
この記事では、EVの基本的な仕組みや、HV・PHV・FCVとの違いをわかりやすく解説します。環境性能やメリット・デメリットも紹介するので、EV選びの参考にしてみてください。
EVとは?ガソリン車との違いも解説

EVとは「Electric Vehicle」の略称で、電気を動力源とする自動車のことです。エンジンの代わりにバッテリーと電動モーターを搭載している点が特徴で、走行時にガソリンを使用しません。
排気ガスを一切出さず、環境負荷が低いことから、今後の持続可能な交通手段として世界的に注目されています。特にカーボンニュートラルを推進する動きが世界的に広がる中、EVは今後の主流となる可能性が高いといえるでしょう。
EVとガソリン車の違いは、動力源となるエネルギーです。EVは電気を使用するのに対し、ガソリン車は化石燃料を燃焼させて動きます。EVは、排気ガスを出さず静音性に優れる点が特徴。一方でガソリン車はエンジンの作動音が大きく、二酸化炭素などの排出量も多いですが、燃料補給がしやすい点が特徴です。
EVは環境的にメリットの大きい自動車ですが、走るには充電が必要で、充電時間が比較的長いことが課題とされています。ガソリン車は全国にガソリンスタンドが整備されているため、利便性の面では依然として優れているのが大きな違いです。
EVの4つの種類

EVの種類は、主に以下に分類されます。
- BEV
- HV
- PHV
- FCV
それぞれの種類にどのような特徴があるのか、1つずつ見ていきましょう。
1. BEV
BEVは「Battery Electric Vehicle」の略で、バッテリーのみを動力源として走行する電気自動車です。一般的に「EV」と呼ばれる車両の多くは、このBEVに該当します。
バッテリーに蓄えた電力でモーターを駆動し、走行中にCO2や排気ガスを排出しないため、環境に優しいのが特徴です。また、充電スタンドを利用して電力を補給するため、ガソリンを一切使用しません。
2. HV
HVは「ハイブリッド車(Hybrid Vehicle)」の略で、ガソリンエンジンと電動モーターを併用して走行する車両です。低速走行時や発進時には電動モーターを使用し、加速時や高速走行時にはガソリンエンジンが作動することで、燃費効率を向上させます。
エンジンの補助によってバッテリーを自動で充電するため、外部の充電インフラを必要としないのが特徴です。ガソリンと電気の両方を活用するため、長距離走行にも適しており、幅広いユーザーに利用されています。
3. PHV
PHV(Plug-in Hybrid Vehicle)は、外部からの充電が可能なハイブリッド車です。基本的な仕組みはHVと同様ですが、バッテリー容量が大きく、充電すれば電気だけで長距離を走行できます。
短距離の移動は電気のみで走行し、バッテリー残量が減るとガソリンエンジンが作動するため、長距離移動にも対応可能です。ガソリンと電気の両方を活用できるため、充電インフラの整備状況を気にせずに利用できるのが強みです。
4. FCV
FCV(Fuel Cell Vehicle)は、水素を燃料として発電し、その電力でモーターを駆動する燃料電池車です。水素と酸素を化学反応させることで発電し、走行時に排出するのは水のみというクリーンな仕組みを採用しています。
ガソリン車と同様に水素ステーションで燃料を補給するため、充電に時間がかからず、長距離移動にも適しています。ただし、水素ステーションの数が限られているため、現時点では普及が進んでいないのが課題です。
EVのメリット

EVのメリットは、主に以下4つです。
- ランニングコストが優れている
- 静音性に優れている
- 環境への貢献を果たせる
- 非常用電源として活用できる
それぞれ詳しく解説します。
ランニングコストが優れている
EVはガソリン車と比較して、エネルギーコストを低く抑えられる点が大きなメリットです。電気はガソリンよりも価格が安定しており、自宅で充電すればさらにコストを削減できます。
加えて、エンジンを持たないEVはオイル交換が不要で、メンテナンスがシンプルです。ブレーキシステムには回生ブレーキが採用されており、ブレーキパッドの摩耗が少なく、交換頻度も低くなります。
静音性に優れている
EVはエンジンを搭載していないため、走行時の騒音が大幅に軽減されます。ガソリン車ではエンジン音や振動が発生しますが、EVはモーター駆動のため、静かに走行できます。
特に都市部や住宅地では、深夜や早朝の走行時に周囲への騒音を抑えられるメリットがあります。車内も静かなので、長時間のドライブでも快適に過ごせるでしょう。
環境への貢献を果たせる
EVは走行時にCO2を排出しないため、環境負荷の低減に大きく貢献できます。電力の発電方法によっては間接的に排出が発生する場合もありますが、再生可能エネルギーと組み合わせることで、クリーンな移動手段となります。
また、ガソリン車のように排気ガスを出さないため、大気汚染物質を抑えられ、都市部の空気の質の向上にもつながるのがポイントです。特に大気汚染が深刻な地域では、EVの普及が環境面でプラスの影響を与えるでしょう。
非常用電源として活用できる
EVのバッテリーは、災害時の非常用電源としても活用できるのがポイントです。車両の電力を家庭に供給するV2H(Vehicle to Home)システムを利用すれば、停電時にも生活に必要な電力を確保できます。
例えば、日産リーフのようなEVは、約2日分の家庭用電力をまかなうことが可能です。地震や台風などの災害時に電力が途絶えても、EVがあれば冷蔵庫や照明を維持できるため、万が一の備えとしてもEVは優れた選択肢といえます。
EVのデメリット

EVのデメリットとして、以下が挙げられます。
- 充電インフラの課題がある
- 車両価格が高い傾向にある
メリットだけではなく、デメリットも理解しておきましょう。
充電インフラの課題がある
EVを快適に利用するためには充電インフラの整備が欠かせませんが、地域によって設備の充実度にばらつきがあります。急速充電器の設置が進んでいない地域では、遠出をする際に充電場所を見つけるのが難しくなるケースがあるでしょう。
また、充電ステーションに到着しても先客がいる場合、長時間待たされる可能性があります。自宅で充電環境を整えれば便利ですが、専用の設備を導入するには初期費用が高額になりやすいのがネックです。
車両価格が高い傾向にある
EVはバッテリー技術や開発コストの影響を受けるため、ガソリン車と比較すると車両価格が高くなる傾向にあります。政府の補助金や税制優遇が適用されない場合、その価格差はさらに大きくなるので注意が必要です。
一方で、EVは燃料費やメンテナンスコストを抑えられるため、長期的には経済的なメリットがあります。しかし、初期投資の負担が大きいため、導入をためらう人も少なくありません。
バッテリー技術の進化や量産化が進めば価格の低下が期待されますが、現時点ではコスト面のハードルがあります。
EVを選ぶ際のポイント

EVを選ぶ際のポイントとして大切なのは、以下3つです。
- 航続距離
- メーカー・モデルの特徴
- 車両の価格
それぞれ詳しく解説します。
航続距離
EVを選ぶ際は、ご自身の普段の移動距離に合ったバッテリー容量の車種かどうか確認する必要があります。寒冷地での使用や高速道路での走行時には、実際の航続距離がカタログ値よりも短くなる点を考慮することが大切です。
また、自宅周辺や通勤経路などにある充電ステーションの設置状況や、利用する可能性も選定基準に含めましょう。長距離移動が多い場合は航続距離が長いモデルや、急速充電に対応しているモデルがおすすめです。
メーカー・モデルの特徴
各メーカーが提供しているアフターサポートや、保証内容を比較検討しましょう。車内の広さやデザイン、運転支援機能など、自分のライフスタイルに合った仕様を見て選ぶことで後悔するリスクを抑えられます。
販売実績が豊富なメーカーのモデルは、信頼性やリセールバリューが高い傾向にあります。例えば、テスラはEVの分野で高い実績があり、独自の充電ネットワークも強みです。
メーカー・モデルの特徴を見ながら、慎重にEVを選びましょう。
車両の価格
EVの購入時は車両本体の価格だけでなく、国や自治体からの補助金、税制優遇なども活用して総合的に判断しましょう。長期的な視点でコストパフォーマンスを検討し、維持費の負担がどの程度になるかを見積もることが必要です。
また、中古車市場の動向を調べることで、予算に合わせた選択肢を広げられます。リサーチの幅を広げて、自分に合ったEVを見つけられるようにしましょう。
EVの市場動向と将来性

EVの市場動向と将来性について、以下3つの視点で解説します。
- 世界的なEV普及の加速が進んでいる
- 技術革新による課題の解決が期待されている
- 環境への影響の低減が期待されている
それぞれ詳しく見ていきましょう。
世界的なEV普及の加速が進んでいる
【EVの普及状況】

世界各国で、EVの普及が急速に進んでいます。特に欧州や中国、アメリカでは、政府がガソリン車の販売終了を目指し、厳格な規制を導入しているほどです。
また、欧州連合(EU)は2035年までに内燃機関車の販売を禁止する方針を打ち出し、中国もEVシフトを国家戦略の一環として推進しています。新興市場でもEVの導入が加速し、各国の自動車メーカーが競争を繰り広げているのが現状です。
技術革新による課題の解決が期待されている
EVの普及が進む一方で、航続距離や充電時間の課題が指摘されています。
ただし、次世代バッテリーの開発が進んでおり、全固体電池やリチウム硫黄電池などが注目されている点も理解しておくべきです。
これらの技術が実用化されれば、現在のEVよりも長い距離を走行でき、充電時間の短縮も期待できます。さらに、バッテリーのリサイクル技術が進化すれば、使用済みバッテリーの再利用が可能になり、環境負荷の低減にもつながるでしょう。
環境への影響の低減が期待されている
EVは走行時にCO2を排出しませんが、製造時の環境負荷が課題です。EVの製造時排出量は従来のガソリン車と比べて約40%高いというデータも出ています。(参照:Visual Capitalist)
対策として再生可能エネルギーを活用した充電インフラの整備が進められており、CO2削減が可能になりつつあります。また、車体の軽量化によってエネルギー効率が向上し、より少ない電力での走行が可能となることも期待されています。
【まとめ】EVの概要を理解して購入を検討しよう

EVは環境にとって優しく、日本だけではなく世界中で注目を浴びています。環境社会はこれからも続いていくため、新製品や新制度などが今後も登場するでしょう。
EVの状況は常に変動しているため、情報をチェックしておくことが大切です。本メディアでは今後もEV関連の情報を更新していくため、ぜひ確認してみてください。
関連コラム

EV
日本の自動運転はどこまで進んでる?自動運転のメリット・デメリットや今後の課題にも言及

EV
【2025年】日本や世界の電気自動車(EV)の普及率は?普及への取り組みや今後の課題にも言及

EV
【総まとめ】電気自動車(EV)のメリット7選!デメリットをカバーする方法も合わせて解説

EV
MaaS(マース)とは?詳しい定義やメリット・導入事例を徹底解説

EV
モビリティとは簡単に言うとどういう意味?3つの種類や環境との関係・事例について解説

EV