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電気自動車(EV)を自宅で充電するには?設備の設置方法や費用についても徹底解説

更新日: 2025/12/1投稿日: 2025/5/30

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電気自動車(EV)を自宅で充電するには?設備の設置方法や費用についても徹底解説
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電気自動車(EV)の購入を検討する際、多くの方が気になるのが「自宅で充電できるのか?」という点ではないでしょうか。

実際、EVユーザーの約86%が自宅充電をメインに利用しているというデータもあり、自宅充電環境の整備はEVライフを快適にする重要なポイントです。

自宅に充電設備を設置することで、深夜の安い電力を活用した経済的な充電や、外出先での充電待ちストレスからの解放など、多くのメリットが得られます。

一方で「工事費用はいくらかかる?」「マンションでも設置できる?」「どの充電器を選べばいい?」といった疑問を持つ方も少なくありません。

EVを注文してから納車まで数カ月かかるケースがほとんどです。「納車されたのに充電できない」という事態を避けるため、納車前に充電環境を整えておくことが重要です。

この記事では、EVの自宅充電設備について詳しく解説します。

電気自動車(EV)の自宅充電設備とは?基礎知識を解説

自宅充電設備とは、電気自動車を自宅で充電するために必要な専用設備のことです。ガソリン車がガソリンスタンドでしか給油できないのに対し、EVは自宅で「燃料補給」ができる点が大きな特徴といえます。

公共の充電スポットは長距離ドライブ時の継ぎ足し充電がメインであり、日常の充電は自宅で行うのが基本です。

公共充電スポットの利用には月会費と都度料金がかかりますが、自宅充電なら満充電まで数百円〜2,000円程度で済みます。以下では、自宅充電設備を導入する前に知っておくべき基礎知識について解説します。

充電設備の設置には工事が必要

EVの充電には大量の電力を扱うため、通常の家庭用コンセントは使用できず、専用の充電設備を設置する工事が必要です。

「スタンドタイプ」や「壁掛けタイプ」など、自宅のレイアウトや予算に合わせたタイプを選択し、専門業者による工事で設置します。

重要なポイントとして、充電設備の配線工事は法律上、第二種電気工事士以上の有資格者による施工が義務付けられている点です。

電気工事はひとつ間違うと感電事故や漏電による火災につながるため、専門的な知識と正確な技術が要求されます。

DIYでの設置は危険ですし、無資格者による工事は違法です。必ず資格を持つ専門の電気工事業者に依頼しましょう。

電源は200Vが基本|100Vとの違いを解説

充電コンセントの電圧には「100V」と「200V」がありますが、100Vでは充電に時間がかかりすぎるため、現実的ではありません。以下の表で充電時間の違いを確認してみましょう。

電圧出力40kWhバッテリーの充電時間適した用途
100V約1kW約40時間非推奨(時間がかかりすぎる)
200V約3kW約13時間一般家庭向け・夜間充電に最適
200V(6kW対応)約6kW約7時間毎日長距離を走る方向け

なぜ200Vが推奨されるのか? 充電出力は「電圧×電流」で決まります。家庭用配線では安全性や契約上の理由から流せる電流に限度があるため、電圧を上げることで充電出力を高められるのです。

200Vは100Vの約3倍のスピードで充電できるため、夜間に充電すれば翌朝には満充電という運用が可能になります。

ただし、200Vの充電設備を設置するには、自宅が200Vに対応していなければなりません。近年建てられた戸建住宅であれば問題ありませんが、築20年以上の住宅では分電盤の交換や配線増設が必要になる場合があります。

自宅が200V対応か確認する3つの方法は以下のとおりです。

  • 電力量計(スマートメーター)の確認:「単3」と表示されていれば200V対応済み
  • 分電盤の確認:アンペアブレーカーに赤・白・黒の3本線があれば200V対応
  • IHクッキングヒーターの有無:IHは200V必須のため、使用中なら200V対応済み

なお、電圧を100Vから200Vに変更しても電気代は変わりませんのでご安心ください。

充電器のタイプは4種類

自宅用の充電器タイプは、以下の4種類に分けられます。

タイプ特徴費用目安(本体+工事)おすすめの方
壁付けコンセント最もシンプル。EV付属の充電ケーブルを使用5万〜12万円初期費用を抑えたい方
壁掛け(ケーブル一体型)ケーブル一体型で使いやすい。デザイン性も◎15万〜30万円毎日の使い勝手を重視する方
自立スタンド壁から離れた場所にも設置可能30万〜50万円駐車場が建物から離れている方
V2H機器EVから家庭への給電も可能。災害時に活躍80万〜140万円災害対策・太陽光発電連携を検討中の方

中でも壁付けコンセントタイプが最も手軽で、EV購入時に付属する充電ケーブルを差し込んで充電できます。製品価格も5,000円〜15,000円程度と安価で、初期費用を抑えたい方におすすめです。

一方、災害時の備えも考慮するならV2H機器タイプが注目されています。EVのバッテリーを家庭用電源として活用でき、停電時でも数日間の電力供給が可能です。

出力は「3kW」と「6kW」が存在

自宅向けEV充電設備の出力は、主に3kWと6kWの2種類です。6kWは3kWの2倍の速度で充電できるため、フル充電までの時間を大幅に短縮できます。

ただし、6kW充電を行うには高性能な専用機器が必要で、設備費用も高額になります。また、6kW対応は車種によっても異なるため、購入前に確認が必要です。

実際の運用を考えると、月間走行距離が800km程度(1日約26km)であれば、週1回・約5時間の3kW充電で十分という計算になります。

日本自動車工業会のデータによると、乗用車ユーザーの平日平均走行距離は約19km、休日は約28km程度です。毎日長距離を走る方でなければ、コストパフォーマンスの高い3kWタイプで問題ないでしょう。

電気自動車(EV)の自宅充電設備の4つのタイプ

ここからは、自宅充電設備の4つのタイプについて、それぞれの特徴・メリット・費用を詳しく解説します。

1. 壁付けコンセントタイプ|初期費用を最も抑えられる

壁付けコンセントタイプは、家庭用EV充電設備の中で最も導入コストが安く、多くの家庭で採用されています。

基本的なコンセント差し込み口をEV用に取り替えるだけのシンプルな施工で済むのがメリットです。

コンセント本体は5,000円〜15,000円程度で購入でき、工事費を合わせても総額5万円〜12万円程度に収まるケースがほとんどです。

項目内容
本体価格5,000円〜15,000円
設置費用(本体+工事)5万〜12万円
出力200V・3kW(15Aまたは20A)
メリット低コスト、シンプルな施工、標準工事に収まりやすい
デメリット車載ケーブルの出し入れが毎回必要

充電時には車載の充電ケーブルを使用しますが、ケーブルは制御ボックス(コントロールボックス)付きで約3kgの重量があるため、毎回の出し入れには多少の手間がかかる点は留意しておきましょう。

なお、車載充電ケーブルの長さは一般的に7m程度ですが、車種により異なります。

【おすすめ製品例】
パナソニック「EV・PHEV充電用 屋外コンセント」は5,500円からと手頃な価格で、片手で抜き差しできる設計が特徴です。盗電やいたずら防止用のカバー付きタイプ(約13,750円)も選べます。

2. 壁掛けタイプ(ケーブル一体型)|利便性とデザイン性を追求

壁掛けタイプは、自宅の外壁に専用ボックスとケーブルを取り付けるタイプで、デザイン性に優れた充電設備です。住宅の外観に調和するスマートな見た目が特徴で、ケーブル一体型なら都度の準備が不要になります。

最大の利点は、日常の充電作業が大幅に楽になることです。ケーブルをボックスから取り出して車に差し込むだけで充電が開始され、ケーブルの収納や管理の手間がありません。

雨天時でも迅速に作業を完了できるため、ストレスなく運用が可能です。

項目内容
本体価格10万〜25万円
設置費用(本体+工事)15万〜30万円
出力3kWまたは6kW対応モデルあり
メリットケーブル一体型で手軽、6kW対応で高速充電可能、スマート機能搭載モデルあり
デメリットコンセントタイプより高額

特に6kW対応モデルであれば、3kWタイプに比べてフル充電までの時間を半分程度に短縮できます。

また、Wi-Fi接続やスマホアプリで充電タイマーを設定できる「スマート充電」機能を搭載したモデルもあり、深夜の安価な時間帯に自動で充電を開始・終了させることが可能です。

【充電規格の補足】
壁付けコンセントは「Mode2」(制御回路が車載ケーブル内蔵)、壁掛けケーブル一体型は「Mode3」(制御回路が充電器側に内蔵)という充電規格に分類。

Mode3は車載ケーブルを取り出す手間がない分、製品価格は高くなります。

3. 自立スタンドタイプ|設置場所の自由度が高い

自立スタンドタイプは、自宅の壁と駐車場が離れている場合でも設置可能な、設置場所の自由度が高いタイプです。

壁付けタイプでは壁面から駐車場までの距離に制約がありますが、自立スタンドタイプなら駐車場の中央や離れた場所にも設置できます。

商業施設でよく見かけるタイプの充電器をイメージすると分かりやすいでしょう。

項目内容
本体価格10万〜30万円
設置費用(本体+工事)30万〜50万円
出力3kWまたは6kW
メリット設置場所の自由度が高い、デザイン性が高い、複数台同時充電対応モデルもあり
デメリット基礎工事・地中配線工事で費用が高くなりやすい

費用が高くなる主な理由は、スタンドを固定するためのコンクリート基礎工事や、分電盤からスタンドまでの地中配線工事が必要になるためです。

電気工事に加えて土木工事が発生するため、施工実績が豊富な業者を選ぶことが重要です。

4. V2H機器タイプ|EVを家庭の蓄電池として活用

V2H機器は、EVと住宅間で双方向に電力をやり取りできる最先端の充電設備です。「Vehicle to Home」の略で、EVのバッテリーを家庭用蓄電池として活用できます。

停電時にはEVに蓄えた電気を家庭に供給でき、例えば日産リーフ(40kWh)なら約2〜4日分の家庭電力をまかなえる計算になります。災害対策として注目が高まっています。

項目内容
本体価格50万〜140万円
設置費用(本体+工事)80万〜140万円
出力最大6kW(双方向)
メリットEVを蓄電池として活用、災害時の非常用電源、太陽光発電との連携
デメリット導入コストが高い

V2H機器は単なる充電器ではなく、太陽光発電で昼間に発電した電力をEVに蓄え、夜間に家庭で使用するというエネルギーマネジメントが可能。電気代の節約と環境負荷の低減を同時に実現できる点が魅力です。

【代表的な製品例】
ニチコン「EVパワー・ステーション プレミアムモデル」(希望小売価格:約98万円〜)は、V2H市場で広く採用されている製品です。

専用スマホアプリでの操作も可能で、太陽光発電との連携設定も簡単に行えます。

自宅にEVの充電設備を設置する工事の流れを4ステップで解説

自宅にEVの充電設備を設置する工事の流れを4ステップで解説

EVの納車に合わせて充電環境を整えるためには、工事の流れを把握しておくことが大切です。ここでは設置工事の具体的な流れを4ステップで解説します。

1. 充電タイプを選ぶ

まずは、自宅の環境や予算に合った充電タイプを選定します。先述の4タイプ(壁付けコンセント、壁掛け、自立スタンド、V2H)から、以下のポイントを踏まえて検討しましょう。

  • 駐車場と自宅の壁の距離:近ければ壁付け・壁掛け、離れていれば自立スタンド
  • 予算:初期費用重視なら壁付けコンセント、長期的なメリット重視ならV2H
  • 太陽光発電の有無:設置済みならV2Hとの連携で電気代をさらに節約可能
  • 災害対策の重要度:停電時の備えを重視するならV2H

車メーカーやカーディーラーのキャンペーンで充電設備を通常より安く設置できたり、無料で設置できたりする場合もあります。EV購入時にディーラーに確認することをおすすめします。

2. 施工業者を選ぶ

充電タイプが決まったら、施工業者を選定します。業者選びで重要なのは以下の3点です。

  • 施工実績:一般住宅へのEV充電器の施工実績が豊富な業者を選ぶと安心です
  • 見積もりの明確さ:見積書に費用の内訳が明記されているか、追加費用の条件が明確か確認しましょう
  • アフターサポート:設置後の保守点検や故障時の対応体制も重要です。10年保証付きの業者もあります

電気工事業者の中には、契約容量の変更提案、電力会社への申請、補助金の申請までワンストップで対応してくれるところもあります。

特にV2H機器の設置では、太陽光発電との連携設定なども含めて対応できる業者を選ぶと良いでしょう。

【費用負担を軽減する選択肢】
一括購入だけでなく、初期費用0円・月額定額払いで導入できる「リース」や「サブスクリプション」サービスを提供している業者もあります。まとまった費用の支払いに不安がある場合は相談してみましょう。

3. 業者の下見に立ち会う(現地調査)

業者を選んだら、現地調査(下見)に立ち会います。この調査によって正式な見積もりが確定するため、非常に重要なステップです。現地調査では以下の項目を確認します。

  • 分電盤から充電器設置場所までの距離と配線ルート
  • 壁面の材質や穴あけの可否
  • 分電盤が200V対応かどうか
  • 契約アンペア数の確認(EV充電で電力オーバーしないか)
  • 駐車場と充電コネクタの位置関係(ケーブルが届くか)

分電盤から設置場所までの距離が15m以内であれば、配線工事が基本料金に含まれるケースが多いです。15mを超える場合は追加費用が発生する可能性があるため、事前に確認しておきましょう。

4. 契約後に工事に立ち会う

見積もりに納得したら契約を結び、工事日を決定します。工事は依頼者の立ち会いのもとで行われ、以下の作業が実施されます。

  • 専用ブレーカーの設置
  • 配線の敷設(必要に応じて壁への穴あけ)
  • 充電器本体の設置・固定
  • 動作確認・使い方の説明

工事にかかる時間は充電器タイプや設置環境によって異なりますが、以下が目安です。

充電器タイプ工事時間の目安
壁付けコンセント約半日(4〜6時間)
壁掛け・スタンド半日〜1日
V2H機器1〜2日

V2H機器の場合は、家のブレーカーを落として動作確認を行うため、少し手間がかかります。

また、太陽光発電との連携設定や専用アプリの初期設定なども含まれるため、工事後のレクチャーをしっかり受けておきましょう。

電気自動車(EV)の自宅充電設備を設置するメリット3選

電気自動車(EV)の自宅充電設備を設置するメリット3選

自宅に充電設備を設置することで得られる代表的なメリットを3つ解説します。

1. いつでも自宅で充電できる|ガソリンスタンド通い不要

帰宅後にコネクタを差し込むだけで、翌朝には満充電の状態で出発できます。ガソリン車のように給油のための外出が不要で、充電スタンドでの順番待ちもありません。

公共充電スポットは利用者が増えていることから、混雑しているケースも少なくありません。自宅充電なら就寝中に充電が完了するため、時間を有効活用できます。

特に夜間に充電すれば、電気代が安い時間帯を活用できる点も大きな魅力です。

2. 充電費用が安い|ガソリン代より約40%節約

自宅充電はガソリン車と比較して約40%も燃料費を節約できます。さらに公共充電スポットと比べても経済的です。以下の表で比較してみましょう。

充電場所6kWh充電にかかる費用備考
自宅充電(31円/kWh)約186円深夜帯ならさらに安くなる場合あり
公共普通充電(ビジター利用)約528円8.8円/分×60分で計算
公共急速充電約700〜900円事業者により異なる

年間10,000km走行した場合のランニングコストを比較すると、EVの自宅充電では約5万円、ガソリン車では約9万円となり、年間約4万円の差が生まれます。

【主要EV車種別の満充電費用シミュレーション】(電気代31円/kWhで計算)

車種バッテリー容量満充電費用(目安)
日産 サクラ20kWh約620円
三菱 eKクロスEV20kWh約620円
日産 リーフ40kWh約1,240円
日産 リーフ e+62kWh約1,922円
日産 アリア B666kWh約2,046円
トヨタ bZ4X71.4kWh約2,213円
日産 アリア B991kWh約2,821円

例えば日産サクラの場合、月間平均走行距離398km(軽自動車の平均)に対して、1回の満充電で約180km走れるため、月に約2.2回の充電が必要です。月間の電気代はわずか約1,364円という計算になります。

3. 工事に補助金が下りる場合もある

充電設備の設置に対して、国や自治体から補助金が交付される場合があります。特にV2H機器については補助金の対象となるケースが多く、費用負担を大幅に軽減可能です。

2025年度の補助金情報は以下のとおりです。

  • 国の補助金(V2H):機器購入費と工事費を合わせて最大65万円の補助。ただし2025年度は申請期間が限定されているため、最新情報を確認してください。
  • 東京都の補助金(例):通信機能付き充電設備で最大30万円の補助が受けられる場合があります。

個人の戸建住宅向けの壁付けコンセントやスタンドタイプについては、国の補助金対象外となる場合が多いですが、自治体独自の補助金制度を設けているケースもあります。

一般社団法人次世代自動車振興センター(NeV)のサイトで「地方自治体の支援制度」を確認し、お住まいの自治体に補助金があるかチェックしておきましょう。

補助金を利用するためには工事開始前に申請を完了させる必要があるため、早めに情報収集を始めることをおすすめします。

電気自動車(EV)の自宅充電設備を設置する際の注意点3選

電気自動車(EV)の自宅充電設備を設置する際の注意点3選

自宅充電設備の設置を検討する際に、事前に確認しておくべき注意点を3つ解説します。

1. 分電盤が200V対応かチェックする

自宅の分電盤が200V対応かどうかは、事前に必ず確認しましょう。築年数が古い住宅では100Vのみ対応の場合があり、200Vへの変更工事が必要になります。

200V対応への増設工事には、電線から分電盤への200V引き込み工事やブレーカーの交換が含まれ、工事費用は5万円〜15万円程度が目安です。

現地調査の際に業者が確認してくれますが、事前にスマートメーターの「単3」表示を確認しておくとスムーズです。

2. 契約アンペア数が60A以上かチェックする

契約アンペア数が不足していると、EV充電中にブレーカーが落ちる可能性があります。200V・15Aの充電設備でも電気自動車の充電には約30Aを使用するため、他の家電と同時使用すると電力オーバーになることがあります。

目安として、契約アンペア数は60A以上が理想的です。特に6kW充電器を導入する場合や、太陽光発電・蓄電池と併用する場合は、さらに余裕を持った契約をしましょう。

また、アンペア数の変更は電力会社への申請で可能ですが、月々の基本料金が変わる場合があります。

3. 環境によっては設置が難しい場合もある

住環境によっては、充電設備の設置が難しいケースがあります。以下の表で住宅タイプ別の設置難易度を確認しましょう。

住宅タイプ設置難易度ポイント
戸建住宅◎ 容易自己所有なら問題なく設置可能
分譲マンション△ やや困難管理組合の承認が必要。理事会・総会での決議が必要な場合も
賃貸住宅× 困難オーナーの許可が必要。原状回復の協議も必要

マンションにお住まいの方は、まず管理組合や管理会社に相談することから始めましょう。充電器設置に詳しい業者の中には、理事会や総会に同席して説明をサポートしてくれるところもあります。

マンション居住者の約8割が自宅外で充電しているというデータもあり、充電環境の整備は大きな課題です。

【自宅に設置できない場合の選択肢】
自宅への充電器設置が難しい場合でも、EVの利用を諦める必要はありません。

近年は街中の公共EV充電スポットが急速に整備されており、商業施設やコインパーキング、ガソリンスタンドなどで充電できる環境が整ってきています。

月額定額制の充電サービスを利用すれば、公共充電のみでEVを運用することも可能です。

【まとめ】自宅に電気自動車(EV)の充電設備を設置するには事前確認が重要

【まとめ】自宅に電気自動車(EV)の充電設備を設置するには事前確認が重要

自宅にEVの充電設備を設置する際は、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 充電設備は4タイプ:壁付けコンセント(5〜12万円)、壁掛け(15〜30万円)、自立スタンド(30〜50万円)、V2H(80〜140万円)から予算と用途に合わせて選択
  • 電源は200Vが基本:100Vでは充電時間がかかりすぎるため、200V対応が必須
  • 工事は有資格者に依頼:第二種電気工事士以上の資格が必要。DIYは違法かつ危険
  • 事前確認が重要:分電盤の200V対応、契約アンペア数(60A以上推奨)、設置場所の確認を忘れずに
  • 補助金を活用:特にV2H機器は国や自治体の補助金対象となる場合が多い

充電設備は「充電ができる」という機能だけでなく、将来的な電気代の節約や災害時の備えにもつながる重要な投資です。単に価格が安いものを選ぶのではなく、長期的なメリットも考慮して検討することをおすすめします。

EVの納車は注文から数カ月後になるケースがほとんどです。この納車待ち期間を活用して、充電環境の準備を進めておきましょう。

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