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電気自動車の走行距離はどれくらい?車種別の目安やガソリン車との比較を紹介

更新日: 2025/9/4投稿日: 2025/8/30

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電気自動車の走行距離はどれくらい?車種別の目安やガソリン車との比較を紹介

「電気自動車って実際どのくらい走れるの?」
「ガソリン車から乗り換えても大丈夫かな?」

電気自動車の充電設備はまだ普及途中ということもあり、ちゃんと満足に走行できるかどうかは気になるポイントです。長距離移動や通勤での利用を考えると、走行距離への不安は解消しておきたいですよね。

そこでこの記事では、以下の内容について詳しく解説します。

  • 電気自動車の走行距離の目安と車種別ランキング
  • 走行距離に影響する3つの重要な要素
  • 用途別に必要な走行距離の目安

この記事を読むことで、電気自動車の実際の走行性能を理解でき、自分のライフスタイルに最適な車種を選択できるようになります。最後まで読んで、電気自動車選びの参考にしてください。

電気自動車の走行距離の目安は180km~640km

2025年8月現在、国産車で最も長い走行距離を誇るのは日産アリア(B9グレード)の640kmです。外車だと、メルセデス・ベンツのEQS 450+が、走行距離759kmを実現しています。

一方、軽自動車タイプの日産サクラや三菱eKクロスEVは180km程度となっています。

走行距離の違いは、主にバッテリー容量と車両サイズに関係しています。大型のSUVタイプほどバッテリー容量が大きく、長距離走行が可能です。軽自動車タイプは車体がコンパクトな分、バッテリー容量も限られるため走行距離は短くなります。

もちろん、価格帯も車体のグレードによって変動するため、予算と必要な走行距離のバランスを考慮した選択が重要です。

主な国産電気自動車の走行距離をランキング形式で紹介

こちらでは、国産電気自動車の走行距離をランキング形式にまとめました。以

順位メーカー車種名走行距離
1位日産自動車アリア (B9グレード)640 km
2位レクサスRZ (300e グレード)599 km
3位トヨタ自動車bZ4X (FWDモデル)567 km
4位スバルソルテラ (FWDモデル)567 km
5位レクサスUX300e (改良モデル)512 km
6位日産自動車リーフ e+ (60kWh)450 km
7位マツダMX-30 EVモデル256 km
8位本田技研工業N-VAN e:245 km
9位日産自動車サクラ180 km
10位三菱自動車eKクロス EV180 km

※順位は2025年8月現在のものです。

1位:日産 アリア(B9グレード)

引用:日産公式サイト

日産アリアは国産電気自動車で最長の640kmの走行距離を実現しています。91kWhの大容量バッテリーを搭載し、長距離移動でも安心して利用できます。SUVタイプでありながら優れた空力性能を持ち、快適な走行が可能です。

2位:レクサス RZ(300eグレード)

引用:レクサス公式サイト

レクサスRZは599kmの走行距離を誇るハイグレードな電気自動車です。72.8kWhのバッテリー容量を持ち、レクサスブランドならではの上質な乗り心地と静粛性を兼ね備えています。

3位:トヨタ bZ4X(FWDモデル)

引用:トヨタ公式サイト

トヨタbZ4Xは567kmの走行距離で、街中でも走りやすいミドルクラスの車です。長い走行距離に加え、小回りの効く車体サイズなので、初めての電気自動車としておすすめの1台です。

4位:スバル ソルテラ(FWDモデル)

引用:スバル公式サイト

スバルソルテラはbZ4Xと同じプラットフォームを使用し、567kmの走行距離を実現しています。スバルらしい走行性能と、安全性能を電気自動車で体験できる車種です。bZ4Xとの性能差はそこまでないため、デザインなどの好みで選ぶと良いでしょう。

5位:レクサス UX300e(改良モデル)

引用:レクサス公式サイト

レクサスUX300eの改良モデルは、コンパクトSUVながら512kmの走行距離を実現しています。「都会派コンパクトクロスオーバー」と銘打っており、都市部での使い勝手と長距離性能を両立させた車種です。予防安全技術「Lexus Safety System +」の機能拡充など、性能面もパワーアップしています。

6位:日産 リーフe+(60kWh)

引用:日産公式サイト

日産リーフe+は、リーフのバッテリー容量とモーター出力を向上させたモデルです。リーフの走行距離が322kmなのに対し、e+は450kmの走行距離を持ちます。日常使いから長距離移動まで幅広くカバーできる車種です。

7位:マツダ MX-30 EVモデル

引用:マツダ公式サイト

マツダMX-30 EVモデルは、256kmの走行距離で、街中での利用にぴったりなコンパクトな電気自動車です。マツダらしいデザインが特徴で、運転に集中できるコクピットや、ドライバーの視界を広げる安全技術など、街中でも安心して利用できます。

8位:ホンダ N-VAN e:

引用:ホンダ公式サイト

ホンダN-VAN e:は、245kmの走行距離を持つ軽バン型の電気自動車です。商用利用から個人利用まで幅広い用途に対応し、荷室の広さと実用性を重視した設計になっています。日常使いだけでなく、配送業や小規模事業での活用にも適した車種です。

9位:日産 サクラ

引用:日産公式サイト

日産サクラは180kmの走行距離を実現した軽タイプの電気自動車です。20kWhのバッテリー容量で、日常の買い物や通勤に最適化されています。自宅用の充電設備でも、8時間で100%充電が可能です。

10位:三菱 eKクロスEV

引用:三菱公式サイト

三菱eKクロスEVは日産サクラと同じく、180kmの走行距離を持つ軽電気自動車です。20kWhのバッテリー容量で、近距離の移動を中心とした利用に適しています。

電気自動車の走行距離に関わる3つの要素

電気自動車の走行距離は、使用環境や運転方法によって大きく変動します。実際の走行距離に影響を与える主要な要素を理解しておきましょう。

エアコンの使用

電気自動車では冷暖房すべてに電気を利用するため、エアコンの使用が走行距離に直接影響します。ガソリン車のようにエンジンの排熱を暖房に利用できない点には、注意が必要です。

走行距離を長く保つためには、以下の工夫を行うと良いでしょう。

  1. 事前の温度調整で車内環境を整える
  2. シートヒーターやハンドルヒーターを活用
  3. 適切な温度設定で過度な冷暖房を避ける

坂道での運転

上り坂ではガソリン車と同様に電力消費率が高くなり、走行距離への影響が生じます。モーターへの負荷が増加し、バッテリーからの電力供給量が増えるためです。

一方、下り坂ではエネルギー回生システムが作動し、運動エネルギーを電気エネルギーに変換してバッテリーに充電します。エネルギー回生システムは、ブレーキをかけた際やアクセルペダルを離した際にモーターが発電機として働き、減速エネルギーを回収する仕組みです。

ガソリン車の場合は下り坂でも燃料を消費しますが、電気自動車の場合は回復するのが特徴です。

山道や起伏の多い道路では、上り坂での電力消費と、下り坂での回生充電の組み合わせで、長く走行できます。

バッテリーの劣化状況

バッテリーが劣化すると最大容量が減少し、走行距離も短くなります。スマートフォンなどの電化製品と同様に、バッテリーは充放電を繰り返すことで、徐々に性能が低下します。

寿命の目安は、バッテリー容量が新品時の70%程度に低下した状態です。ただし、現在の電気自動車用バッテリーは8年または16万kmの保証が一般的で、実際の劣化は予想より緩やかな場合が多いです。

バッテリーの劣化を抑えるためには、以下の点に注意しましょう。

  1. 極端な充電量(0%や100%)での長期保管を避ける
  2. 高温環境下での駐車を控える
  3. 急速充電の頻繁な利用を避ける

電気自動車の走行距離はどれくらいあれば安心?

電気自動車の走行距離は、用途によって必要な距離が変わります。日常の使い方に合わせて、適切な走行距離を持つ車種を選択しましょう。

日常使いなら200km程度

買い物や送り迎えなど、街中での短距離移動が中心であれば、200km程度の走行距離で十分です。2~3日に1回の充電頻度で無理なく利用でき、充電設備が少ないエリアでも、自宅に戻って充電すれば問題ありません。

特に、軽自動車タイプの電気自動車(日産サクラ、三菱eKクロスEVなど)が日常使いに適しており、維持費も抑えられます。通勤距離が片道30km以内の方や、週末のお出かけが近場中心の方におすすめです。

自宅での普通充電を基本とし、必要に応じて外出先の充電スポットを利用する使い方が効率的です。

長距離移動が多いなら400km程度

出張や旅行で遠方への移動が多い場合は、400km程度の走行距離があると安心です。走行距離が短いと頻繁な充電が必要になり、目的地への到着が遅れる恐れがあります。

また、頻繁に充電すると、その分時間がかかってしまうのが、低容量バッテリーの難点です。

例えば、三菱eKクロスEV(バッテリー容量20kWh、走行距離180km)の場合、普通充電(6kW)で満タンになるまで約3.3時間かかります。自宅で充電するなら気にならないですが、長距離移動では待ち時間が増加し、移動効率が悪化してしまいます。

そこで、日産リーフe+(450km)やトヨタbZ4X(567km)のような中〜大型車種を選択すれば、充電回数を減らして快適な長距離移動が可能です。

電気自動車の走行距離に関するよくある質問

電気自動車の走行距離について、多くの方が気になる疑問点をまとめました。

バッテリーの寿命はどれくらい?

一般的に「8年または走行距離16万km」が寿命の目安とされています。ただし、メーカーによってはさらに長期間の保証を提供している場合があります。

実際の使用環境では、保証期間を超えて使用できるケースも多いですが、なるべく保証期間内にバッテリーの交換などの対応を行うと良いでしょう。

バッテリーが劣化したらどうすればいい?

バッテリーが劣化した場合は、メーカーでの交換が基本的な対処方法です。保証期間内であれば無料で交換できることもありますが、有料の場合は車種によって数十万円~数百万円の費用がかかります。

交換費用の目安は以下の通りです。

  1. 軽自動車タイプ:50~100万円程度
  2. コンパクトカータイプ:80~150万円程度
  3. 大型SUVタイプ:150~300万円程度

交換費用が高額になる場合は、車両の乗り換えを検討するのも一つの選択肢です。中古車市場の動向や新車の技術進歩を考慮して、最適な選択を行いましょう。

1回の充電時間はどれくらい?

充電時間は使用する充電器と車種によって大きく変わります。以下の表で、主な充電方法と時間の目安をご確認ください。

充電方法出力バッテリー容量40kWhバッテリー容量60kWh
普通充電3kW約13時間約20時間
普通充電(高出力)6kW約7時間約10時間
急速充電(標準)50kW約48分約72分
急速充電(高出力)150kW約16分約25分

基本的に0%の状態から充電を始めることはないため、実際の充電時間はバッテリーの残量によって変動します。

利用シーンに合わせて最適な電気自動車を選ぼう

電気自動車の走行距離は180km~640kmと幅広く、車種によって大きな違いがあります。日常使いなら200km程度、長距離移動が多い方は400km程度の走行距離を目安に選択すれば、実用的な電気自動車ライフを送れます。

現在の電気自動車は十分実用的な走行距離を持っており、充電インフラの整備も進んでいます。自分のライフスタイルと予算に合わせて、最適な電気自動車を選択しましょう。

今後も当メディアでは、自動運転やEVなどのモビリティなどに関するニュースをまとめて発信していきます。最新情報が気になる場合は、ぜひ定期的にチェックしてみてください。

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