中部国際空港で「VIPS」を活用した自動運転トーイングトラクターの実証実験を実施
更新日: 2026/2/19投稿日: 2026/2/19
リリース
ダイナミックマッププラットフォーム株式会社、株式会社豊田自動織機、中部国際空港株式会社、および中部スカイサポート株式会社の4社は、中部国際空港(セントレア)の制限区域内において、空港内情報集約基盤「VIPS(Various Information Port System)」の開発を目的とした自動運転トーイングトラクターの走行実証を実施しました。
本実証は、航空機の走行経路を横断する必要がある「サービスレーン」など、これまで自動運転の導入が困難だったエリアへの適用拡大を目指すものです。
本記事では、今回の実証実験の概要と、鍵となる技術「VIPS」について解説します。
本協業プロジェクトと実証実験の概要

引用:PR TIMES
今回のプロジェクトは、空港内情報集約基盤である「VIPS(Various Information Port System)」の開発と検証を目的としています。
国土交通省の中小企業イノベーション創出推進事業(SBIR)の一環として進められており、以下の4社が連携して実施されました。
各社の役割
- ダイナミックマッププラットフォーム株式会社:VIPSおよび高精度3次元地図データの提供
- 株式会社豊田自動織機:自動運転トーイングトラクターの提供
- 中部国際空港株式会社:実証フィールド(セントレア)の提供
- 中部スカイサポート株式会社:グランドハンドリング業務の知見提供
実証実験は2026年1月19日から21日にかけて行われ、第1ターミナルから第2ターミナル周辺を含む制限区域内で、実際に貨物を牽引するトラクターが走行しました。
空港内情報集約基盤「VIPS」とは
VIPSとは、空港内の工事情報や故障車などの「静的情報」と、航空機や車両の位置などの「動的情報」をリアルタイムに集約・連携する基盤のことです。
通常、自動運転車は搭載されたセンサー(カメラやLiDAR)で周囲を確認しますが、空港特有の広大なエリアや死角の多い環境では、車両単体のセンサーだけでは限界があります。
VIPSは、空港内に設置されたAIカメラやセンサーから得た情報を、高精度3次元地図データと統合し、「ダイナミックマップ」として自動運転車両に配信します。これにより、車両は「見えない場所」の状況も把握しながら、より安全な走行判断が可能になります。
サービスレーン走行の課題と解決策
空港内の自動運転において、大きな壁となっていたのが「サービスレーン」の存在です。ここは航空機の走行経路を車両が横断するエリアであり、接触事故のリスクが最も高い場所の一つです。
これまでは車載センサーのみで航空機の接近を判断することが難しく、レベル4自動運転の導入エリアはターミナル周辺など一部エリアにとどまっていました。
今回の実証では、VIPSを通じて「航空機の位置情報」をリアルタイムに車両へ配信することで、システム側で正確な走行可否判断が可能であることを確認しました。これにより、ターミナルから離れた駐機場(沖止めエリア)へのルート拡大が可能となり、空港業務の省人化に大きく貢献することが期待されています。
実証実験に使用された技術と車両

引用:PR TIMES
今回の実証実験では、物流現場の効率化を推進する豊田自動織機の自動運転技術が活用されました。
自動運転トーイングトラクター「3ATE25」
使用された車両は、豊田自動織機製の電動トーイングトラクター「3ATE25」です。この車両は、最大27トンの牽引能力(有人時)を持ち、空港での貨物搬送に特化しています。
自動運転時には最大時速15kmで走行し、路面パターンマッチング(RSPM)やGNSS(衛星測位)、3D LiDARを組み合わせた高度な自己位置推定技術を搭載しています。
今回の実証は、運転席にドライバーが座る「レベル3」で行われましたが、動的情報が確認できるタブレットを監視しながら、VIPSと連携した自動走行の有効性が検証されました。
今後の展望と社会実装に向けて
ダイナミックマッププラットフォームは、今回の結果を踏まえ、サービスレーンを含むエリアでのレベル4自動運転の実現を目指します。
また、このVIPSの仕組みは空港に限らず、港湾や大規模な物流センターなど、複数のモビリティや重機が混在するエリアへの応用が可能です。
人手不足が深刻化する物流・交通業界において、インフラ側から自動運転を支援する「協調型システム」の重要性は高まっており、今後のグローバル展開も視野に入れた開発が進められる予定です。
参考: レベル4自動運転可能エリア拡大に向け、中部国際空港セントレアにて空港内情報集約基盤「VIPS」の開発のための自動運転トーイングトラクター(レベル3)走行実証を実施 – PR TIMES
ダイナミックマッププラットフォーム株式会社 公式ホームページ
関連コラム

リリース
横須賀市で自動運転レベル4を見据えた大型路線バスの実証実験を開始

リリース
富士吉田市でレベル2自動運転EVバスの有償実証運行を2026年1月5日から開始。2026年のレベル4実現へ

リリース
ロイヤルホストが一部店舗に EV 用急速充電器を導入

リリース
東京の既存マンションで、全274駐⾞区画にEV充電コンセントを導⼊。EV試乗会を開催予定

リリース
EV導入で社員の“疲労感”が軽減。ドライバーの約85%が「疲れにくい」と回答

リリース





