T2と三菱地所が自動運転トラックによる物流施設の「建物内走行」を実証
更新日: 2025/9/4投稿日: 2025/8/28
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株式会社T2と三菱地所株式会社は、T2が2027年に開始を目指すレベル4自動運転トラックによる幹線輸送を見据えて、物流施設における「建物内の走行」を実現させるため、国内で初めてとなる実証を2025年7月より開始しました。
技術的な難易度が高いとされる「建物内走行」を可能にすることで、基幹物流施設において荷物の積み下ろしを行う「バース」から別施設の「バース」までの間の無人状態での輸送を実現します。
この記事では、T2と三菱地所が行った実証の内容を解説します。
実証の背景

引用:PR TIMES
T2は、「2024年問題」を背景にしたトラックドライバー不足の深刻化などの物流危機に対し、ドライバーの乗車を必要としないレベル4自動運転トラックによる幹線輸送を目指しています。
一方で三菱地所は、レベル4自動運転トラック、ダブル連結トラックなどの次世代モビリティによる幹線輸送の受け入れ拠点となる基幹物流施設の開発を進めています。
両者は、高速道路上だけでなく基幹物流施設内でも、無人状態でのトラックの運行が可能になればさらにシームレスな輸送や省人化につながると考え、レベル4自動運転トラックが建物内を走行できる環境整備や技術開発に取り組みました。
レベル4自動運転とは?

レベル4とは、自動運転システムが安全に作動することを前提として設計された、特定の走行環境や条件の範囲において「運転操作をすべてシステムが担う」段階です。
人ではなくシステムが完全に運転の主体となる点が特徴であり、走行中にドライバーの操作は不要となるのが特徴です。
2025年8月現在、日本各地でレベル4の自動運転車を用いた実証実験が行われていますが、一般販売できる車両は実現していません。
T2はレベル4自動運転トラックによる幹線輸送の開始を2027年位目指し、これまでに110億円超の資金調達を行ってきました。
参考:プレシリーズ B ラウンドで 50 億円の資金調達を完了 累計額は 110 億円超に – 株式会社T2
人の手を必要としない自動運転の実現に向けて、研究が続けられています。
実証内容について

自動運転トラックでは、車両の位置を特定するために、GNSS(全球測位衛星システム)の情報を用いますが、倉庫内ではGNSSの受信が困難となることが課題でした。
そのため、今回の実証では、物流施設内の高精度3次元データと、T2のトラックに搭載したLiDAR(レーザー光の反射により対象物までの距離や形状などを計測するセンサー)から得た情報を照合させて、建物内走行に必要な自己位置の推定が技術的に可能かを調査しています。
2025年7月~9月は、第1段階としてレベル2自動運転トラックを用いての直線走行を行います。そして2026年には次の段階として、ランプウェイなども含めた複数フロアをまたがる走行やバースでの発着ができるのか、技術検証を進めていく予定です。
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