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住友化学グループとT2、化学品の自動運転トラックによる幹線輸送を実証

更新日: 2025/6/5投稿日: 2025/5/27

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住友化学グループとT2、化学品の自動運転トラックによる幹線輸送を実証

住友化学株式会社、住化ロジスティクス株式会社、株式会社T2の3社は、2025年7月より、自動運転トラックによる幹線輸送の実証を、関東から関西までの高速道路の一部区間で開始します。

※幹線輸送:工場で生産された商品を全国の配送拠点に主要な輸送ネットワークを通じて効率的に運ぶこと

この記事では、幹線輸送の実証内容について紹介します。

幹線輸送実証の背景

引用:PR TIMES

日本では以前よりトラックドライバーの不足が問題化されています。2024年に厚生労働省が出したデータによると、 自動車運転従事者の有効求人倍率は2.72で、全体平均である1.21よりもかなり多い数字が記録されています。(参考:厚生労働省 一般職業紹介状況(令和6年1月分)

また、住友化学株式会社をはじめとする化学業界では、荷物の安全な輸送や環境への配慮が欠かせません。サステナブルな物流オペレーションの構築のために、自動運転トラックの導入が不可欠な状態になってきているといえるのが現状です。

また、今回の実証では、CO₂排出量の削減を目的に、カーボンニュートラルに資する燃料を使用します。2026年度から「排出量取引制度」が本格化するにあたり、自動運転の分野でも対応を目指しています。

※排出量取引制度:企業ごとの温室効果ガスの排出量に上限(排出枠)を設け、その過不足を企業間で取引する制度

幹線輸送実証の概要

開始時期2025年7月~
場所関東から関西までの高速道路上の一部区間(約500km)にて実施
行程例:住友化学千葉事業所(千葉県袖ケ浦市)→大阪地区 中継拠点
各社の役割住友化学:積載貨物の提供
住化ロジスティクス:化学品などの輸送オペレーションの提供
T2:全体マネジメント、実験用車両の提供
検証内容・貨物を積載した幹線輸送における自動運転の走行ルートおよび走行リードタイム検証
・想定したオペレーションパターンの有効性検証
・カーボンニュートラル燃料を用いた輸送の有効性検証

以上の内容をレベル2の自動運転トラックにて検証します。

※自動運転レベル2:システムが縦方向と横方向の両方を、限定された状況で実行する「部分運転自動化」。ドライバー監視のもとで行われる

幹線輸送実証の展望

今回の実証の結果をふまえて、T2が2027年より開始するレベル4自動運転トラックの実現に向けて連携を深めていく予定です。

また、カーボンニュートラル燃料のうち、廃食油を主な原料とし、次世代の軽油代替燃料として期待されている「リニューアブルディーゼル」を使用した輸送も目指しています。

※自動運転レベル4:システムが特定の条件下ですべての運転を実行し、運転手不在でも動作可能な「高度運転自動化」

【自動運転のレベル表】

レベル内容
0完全な人力での運転
1システムが縦方向(加速・減速) もしくは横方向(ハンドル操作)のいずれか一方を制御する「運転支援」
2システムが縦方向と横方向の両方を、限定された状況で実行する「部分運転自動化」
3システムが特定の条件下ですべての運転を実行し、運転手が運転以外のことをできる「条件付き運転自動化」
4システムが特定の条件下ですべての運転を実行し、運転手不在でも動作可能な「高度運転自動化」
5あらゆる条件下でシステムが自動運転する「完全運転自動化」

参考:
住友化学グループとT2、化学品の自動運転トラックによる幹線輸送を実証

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