【国内初】自動運転トラックと貨物鉄道によるモーダルコンビネーション実証開始
更新日: 2025/7/2投稿日: 2025/7/1
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日本通運株式会社(以下:日本通運)、日本貨物鉄道株式会社(以下:JR貨物)、株式会社T2(以下:T2)の3社は、日本国内で初めて、自動運転トラックと貨物鉄道を組み合わせた「モーダルコンビネーション」の実証を開始しました。
モーダルコンビネーションとは、トラックや鉄道などの各輸送方法の特性を活かし、お互いに補完し合う輸送モデルです。
この記事では、今回実施されたモーダルコンビネーションの詳細について紹介します。
日本初のモーダルコンビネーション実証の内容

引用:PR TIMES
モーダルコンビネーションの第一弾として、雪印メグミルク株式会社の常温品を、北海道-関西間で輸送します。
今回の実証では、T2が開発した自動運転レベル2のトラックで、幹線輸送(拠点となる箇所に一度荷物を集めてから、大型トラックなどを用いて配送する方法)に取り組みました。
※自動運転レベル2:アクセル・ブレーキ操作およびハンドル操作の両方が、部分的に自動化された状態。
今回の実証では、JR貨物とT2が共同開発したコンテナを用いており、貨物列車からT2のトラックへコンテナを直接載せ替えることが可能です。
北海道から関東までを貨物列車で輸送し、関東から関西までの高速道路をT2のレベル2自動運転トラックで幹線輸送しました。

引用:PR TIMES
実証内容
- 隅田川駅における貨物列車からT2のトラックへの共用コンテナの積み替え作業の検証
- 北海道―関西間における一貫オペレーションの検証
- 自動運転トラック輸送区間を中心とした輸送品質の検証
取り組みの背景

今回のモーダルコンビネーションでは、環境問題への対応や物流業界の労働環境改善、労働不足の解消など、持続可能な物流の実現を目指しています。
2024年11月より、日本通運・全国通運・日本フレートライナー・JR貨物・T2の5社で検討が進められ、2025年6月に国内初の実証実験が開始されました。
「自動運転トラック×貨物鉄道」のモーダルコンビネーションを実現することで、自動運転区間における輸送ルートの複線化を構築したり、柔軟な輸送力の増加が可能になったりと、物流の可能性を広げられます。
参加企業の役割
- 雪印メグミルク:商品輸送における実証への協力および商品輸送後の品質検証
- 日本通運:集貨・配達
- JR貨物:貨物鉄道区間での輸送および検証
- T2:高速道・専用道での運送区間における自動運転輸送および検証
今後の展望

今回の実証実験で用いられた自動運転トラックはレベル2でしたが、今後は、T2が2027年から開始を予定している自動運転レベル4トラックを用いたモーダルコンビネーションも視野に入れています。
※自動運転レベル4:特定の走行環境条件を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態。
レベル4のトラックが幹線輸送に組み込まれると、労働不足の解消や労働環境の改善が実現できるでしょう。
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