三菱HCキャピタルが完全自動運転システムの開発を行うチューリングと資本業務提携契約を締結
更新日: 2025/11/30投稿日: 2025/11/25
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三菱HCキャピタルは、AI基盤モデルを駆使しした完全自動運転システムの開発を行う Turing株式会社(以下、チューリング)と資本業務提携契約を締結しました。
今回の提携により、完全自動運転の実現に向けた共同サービスの構築を目指しています。
本記事では、今回の提携内容と背景について紹介します。
資本業務提携契約の背景と概要

今回の提携は、三菱HCキャピタルがスタートアップとのオープンイノベーションを通じた新サービスの創出や新規事業の開発促進を目的に運用する、総額100億円の「イノベーション投資ファンド」を活用したものです。
三菱HCキャピタルは多様な顧客基盤やパートナー企業とのネットワークをはじめとして、ファイナンス機能や事業のマネジメント能力を有しており、デジタル技術を活用して社会的課題の解決につながる新規サービスや新たな事業の創出に取り組んでいます。
日本の自動車業界は、政府が「モビリティDX戦略」のもとに官民連携で取り組みを進めているなど、デジタル技術の発展に伴い、産業構造が大きく変化している状況です。
そこで三菱HCキャピタルは完全自動運転領域におけるビジネス機械の模索と、AI開発に不可欠なデジタルインフラ構築の支援を目的として、チューリングとの資本業務提携契約を実施しました。
Turing株式会社とは

チューリングは、2021年8月に設立したスタートアップ企業です。
- AIが多くの分野を革新し、自動運転に到達すること
- シンプルさが複雑さに勝ること、E2E(End-to-End)がポイント
- 世界を理解した生成AIが、完全自動運転の唯一の解法
という技術的信念を持ち、「完全自動運転」の実現を目指して開発を進めています。
チューリングは経済産業省などが推進している国内生成 AI 開発プロジェクト「GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)」に採択されるなど、自動運転AIモデルの開発や、その開発に必要なデジタルインフラの構築・運用ノウハウを有しています。
2025年時点では、以下のようなAIモデルを開発中です。
チューリングが開発しているAIモデル
- Heron(マルチモーダル生成AI):複数言語に対応した最大700億パラメータのVLM(Vision and Language Model)。日本の言語ニュアンスや道路状況を詳細に理解しており、対話形式で自然な文章を生成することが可能
- Terra(自動運転向け生成世界モデル):現実世界の物理法則や物体間の相互作用など複雑な状況を理解し、リアルな運転シーンを動画として出力することが可能な生成世界モデル
- CoVLA Dataset(VLAモデルデータセット):車載センサーデータを含む80時間以上の運転データで構成された、日本初の自動運転向けVLA(Vision-Language-Action)モデルデータセット
また、チューリングは三菱HCキャピタルだけでなく、大日本印刷との資本業務提携を結んでいます。(2025年11月)
大日本印刷が注力事業領域のひとつに掲げているモビリティ関連事業において、カメラが取得するデータのみで運転に必要な判断をAIがすべて行う「自動運転レベル5」の実現に向けて、取り組みを進めています。
チューリングと大日本印刷の取り組み
- 次世代HMI(ヒューマンマシンインターフェース)の共同開発
- 自動運転向けセキュリティ技術の開発
- 仮想的な交通環境の構築とAIモデル開発
- AI学習用データの収集・運用支援
このように、大企業との資本業務提携契約を進めているなど、注目を集めているスタートアップ企業です。
参考:
完全自動運転システムの開発を行うチューリングと資本業務提携契約を締結 – PR TIMES
大日本印刷とチューリング 完全自動運転の領域で資本業務提携 – PR TIES
Turing株式会社 公式ホームページ
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