名鉄バスが国産初のバッテリーEV大型バス「エルガEV」と燃料電池バス「SORA」を導入
更新日: 2025/3/26投稿日: 2025/3/26
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愛知県内の路線バスを運行している名鉄バスは、2025年3月10日から名古屋市内の基幹バスに、いすゞ自動車株式会社が製造するEV大型バス「エルガEV」1台と、トヨタ自動車株式会社が製造する燃料電池バス「SORA」1台を導入しました。
名鉄バスは過去にも小型EVバス2台、大型EVバス1台やハイブリッドバスを導入するなど、脱酸素社会に向けた取り組みを続けています。
今回は名鉄バスが導入する2種類のバス「エルガEV」と「SORA」について紹介します。
EV大型バス「エルガEV」とは

引用:いすゞ自動車株式会社
いすゞ自動車株式会社がが製造する「エルガEV」は、国産初のバッテリーEV大型バスです。
日本の路線バスに最適化する形で作られており、走行中の二酸化炭素の排出量ゼロはもちろんのこと、エンジンの音や振動、変速ショックもない、EVならではのモーターによるスムーズで快適な走りを実現しています。
エルガEVの特徴
- 高電圧リチウムイオンバッテリー:商用EVに適したモジュール方式の高エネルギー密度バッテリーパック(総電力量242kWh)を採用。
- インアクスルモーター:リヤアクスルの左右にモーターを搭載し、タイヤハウス間のフラットフロア化を実現。前進後退のクリープ走行も可能。
- バッテリーサーマルコントロール:バッテリー専用の水冷式温度管理システムを採用し、ルーフ部とリヤ部の2系統で高電圧バッテリーの温度をきめ細かく管理。安定した性能の発揮とバッテリーの長寿化に貢献。
- 外部給電:専用機器(別売)により、家庭用100V電源として外部給電が可能。
- 充電口(急速充電:CHAdeMO規格):最大出力50kWの急速充電に対応。
さらにインアクスルモーターの採用やバッテリー配置の最適化により、室内の最前部から最後席まで段差がないフルフラットフロアを実現しました。これにより車内事故を抑制し、高齢者や体の不自由な方などが安心安全に利用できる環境が整っています。
ドライバー異常時対応システムやフロントブラインドスポットモニターが搭載されているなど、環境と安全に配慮した大型バスです。
燃料電池バス「SORA」とは

引用:トヨタ自動車株式会社
「SORA」は、トヨタ自動車株式会社が2018年に販売を開始した燃料電池バスです。ガソリンなどの化石燃料の代わりに水素を燃料とする「トヨタフューエルセルシステム」を搭載することで、走行時に二酸化炭素などの環境負荷物を排出しません。
また、大容量外部給電システムを搭載しており、高出力かつ大容量の電源供給能力(最高出力9kW、供給電力量235kWh)を備えています。万が一の災害時に、電源としての利用が可能です。
環境への配慮だけでなく、すべての人がより自由に利用できるユニバーサルデザインと機能を有しているのも、SORAの特徴です。
SORAの特徴
- 自動格納機構付き横向きシート:未使用時には自動的に格納されるシートを採用し、ベビーカーや車いす利用者と一般利用者の居住性を両立。
- 視界支援カメラシステム(バス周辺監視機能):車内外に配置した8個の高精細カメラの画像を運転席モニターに表示。さらに停車時には、周囲の歩行者や自転車などの動体を検知し、運転手へ音と画像で通知。
- 加速制御:モーター走行による変速ショックがないことに加えて、急加速を抑制し、緩やかな発進を可能とする加速制御機能を採用。
参考:トヨタ自動車株式会社
加えてデザイン性も高く、2018年のグッドデザイン・ベスト100にも選ばれています。
名鉄バスはこれら2台のバスを、名古屋市、長久手市、瀬戸市、尾張旭市の路線で運行。敬老パスの利用も可能です。
参照:
ISUZU:ERGA EV
トヨタ自動車、量販型燃料電池バス「SORA」を発売
国産初のバッテリーEV大型バス『エルガEV』と燃料電池バス『SORA』を導入し運行を開始します – PR TIMES
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