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EV(電気自動車)用コンセントの工事はどこに頼むのが正解?費用が安いのは?具体的な申し込み方法も解説

更新日: 2025/11/30投稿日: 2025/11/29

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EV(電気自動車)用コンセントの工事はどこに頼むのが正解?費用が安いのは?具体的な申し込み方法も解説

「EVを買うつもりだけど、自宅の充電設備工事ってどこに頼めばいいの?」
「ディーラーの見積もりだと高い…家電量販店や地元の業者に頼んだら安くなる?」

EVの購入に合わせて直面するのが、EVコンセント設置の問題です。

EVコンセントの設置は業者任せになるため、工事の流れや相場感が分からない人は多いです。手抜き工事やぼったくり業者に遭わないか、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、EVコンセント工事の費用相場や依頼先ごとのメリット・デメリット、具体的な工事の流れなどを徹底解説します。

記事を読めば、あなたの状況に最適な工事プランと依頼先が必ず見つかります。ぜひ最後までご覧ください。

EVコンセント工事にかかる費用相場は?タイプ別に解説

まずEVコンセント工事にかかる費用相場を、以下4つのタイプ別に解説します。

  1. 壁付けコンセントタイプ
  2. 壁掛けタイプ
  3. 自立スタンドタイプ
  4. V2H機器タイプ

1. 壁付けコンセントタイプ

EV充電設備として最もスタンダードで、費用を安く抑えられるのがこのタイプです。

費用相場は、およそ4~15万円です。機器代が安いため、初期費用を最も低く抑えられます。

また、出力は200Vの3kW充電が主流です。一般的な100Vコンセントタイプも存在しますが、充電時間が倍以上かかるため、基本的には200Vでの設置が推奨されます。

充電のたびに、車両に付属している充電ケーブルを接続する必要がある点に注意しましょう。

2. 壁掛けタイプ

コンセントではなく、充電ケーブルが本体と一体になった充電器を壁に設置するタイプです。

費用相場は、約20~40万円です。コンセントタイプよりも本体価格が高い分、料金が上乗せされます。

ケーブルが本体に付いているため、車載ケーブルを出し入れする手間がありません。毎日の充電作業が非常に楽になるので、利便性を重視する方におすすめです。

また、壁掛けタイプでは6kW出力を選択できます。一般的な3kW充電器と比較して2倍の出力となり、バッテリー容量の大きいEVでも短時間で充電が可能です。

ただし、6kWタイプを設置する場合は、より太い配線ケーブルや専用ブレーカーが必要となり、工事費はより高額になります。

3. 自立スタンドタイプ

駐車場に設置できる壁がない方向けに、地面にポールを立てて設置するタイプです。

費用相場は20万円以上となります。地面を掘り返してポールを固定する「基礎工事」が必須となるため、壁付けタイプに比べて総費用は高額になります。

設置場所の自由度が高い点が最大のメリットです。また、ポールに取り付ける機器を「コンセント」と「ケーブル付き充電器」のどちらにするかにより、総額と使い勝手が変わります。

4. V2H機器タイプ

V2H(Vehicle to Home)機器は、EVへの充電だけでなく、EVに貯めた電気を家庭へ送電できるタイプです。

費用相場は50万円以上となります。導入コストは高額ですが、国の「CEV補助金」などの対象となっており、EVとの同時購入で手厚い補助が受けられます。

通常時はEV充電器として使えるほか、停電時にはEVを非常用電源として活用可能災害時など、数日分の家庭用電力を賄えます。

また、太陽光発電との相性が良い点も魅力です。昼間に発電した電気をEVに貯め、夜間に使うことで電気代を大幅に節約できる可能性があります。

EVコンセント工事はどこに頼む?依頼先3タイプを徹底比較

EVコンセントの工事依頼先は、主に以下の3つです。

  1. 専門業者・工務店
  2. 家電量販店
  3. 自動車ディーラー

最後におすすめの依頼先が分かる比較表があるため、ぜひ参考にしてください。

1. 専門業者・工務店

地域密着型の電気工事店や、リフォームを手掛ける工務店に直接依頼する方法です。コスパを最優先し、自分で業者選びができる方におすすめできます。

メリット・費用が安い
・専門性が高い
デメリット・業者を探す手間がかかる
・業者によって品質にばらつきがある

最大の利点は、中間マージンが発生せず、最も安価になる可能性が高いことです。また、業者は電気工事のプロであるため、複雑な配線や要望にも柔軟に対応してくれます。

ただし、EV工事の実績や補助金対応の可否を比較し、業者を慎重に選ぶ必要があります。業者によって知識や技術力に差があるため、注意しましょう。

2. 家電量販店

ケーズデンキやジョーシンなどのリフォーム窓口に依頼する方法です。工事に関して、安心感と手軽さのバランスを取りたい人におすすめとなります。

メリット・手軽で安心
・ポイント還元の可能性
デメリット・費用は少し割高
・対応範囲が狭い可能性

メリットは、大手企業に工事を任せられることからの安心感です。店舗によってはポイント還元制度もあり、お得に工事を進められます。

ただし、業者に頼むよりも費用は割高になる傾向にあります。また、隠蔽配線などの複雑な工事には対応していないかもしれません

主な量販店の対応を簡単にまとめたので、依頼先を決める際の参考にしてください。

ケーズデンキの場合

ケーズデンキは「ケーズデンキのリフォーム」サービスの一環としてEV充電器の工事を提供しています。ただし、公式サイトなどに料金は明示されていません。

全国の店舗網で相談・見積もり依頼ができ、工事はケーズデンキが提携する地域の優良専門業者が担当します。

店舗のリフォーム部門が窓口となるため、まずは各店舗に問い合わせることが重要です。

ジョーシンの場合

ジョーシンは「Joshinまごころリフォーム」のメニューとして、EV工事を受け付けています。こちらも、詳細な料金は公式サイトに明示されていません。

提携する電気工事業者が施工を行い、現地調査や見積もりは無料で行ってくれます。パナソニック製品を中心に、各社EV充電器の設置に対応しています。

ジョーシンカードのポイント付与対象となる場合があるため、依頼する際は事前に確認しましょう。

3. 自動車ディーラー

EVを購入する際、ディーラーを通じて工事を依頼する方法です。費用よりも、とにかく手間をなくしたい方におすすめです。

メリット・完全に工事を任せられる
・車種に合った設備を提案してもらえる
デメリット・費用が1番高い
・提携業者や機種が限定される

車両購入とセットで手続きするため、面倒な手間がほぼかかりません。車種に合った充電設備を提案してもらえるので、機器選びで失敗する要因も皆無です。

ただし、紹介する方法のなかでは最も料金が高額になりがちです。また、ディーラーに一任する以上、機器や業者の選択肢は非常に限られます。

【比較表】あなたにおすすめの依頼先は?

ここまでの情報を簡単にまとめた比較表を作りました。工事依頼先に迷っている方は、ぜひこの表を参考にしてください。

依頼先費用専門性・技術力手軽さおすすめな人
1. 専門業者・工務店費用を最優先し、専門的な工事を望む方
2. 家電量販店安心感と手軽さのバランスを取りたい方
3. ディーラー車両購入と全て一括で済ませたい方

おすすめ依頼先まとめ

  • コストを抑えたい:専門業者・工務店
  • 安心感と手軽さのバランスを取りたい:家電量販店
  • とにかく面倒を省きたい:ディーラー

EVコンセント工事の具体的な方法と流れを4ステップで解説

実際に工事を依頼する際の流れを、以下の4ステップで解説します。

  1. 現地調査と見積もり依頼
  2. 契約と補助金の申請
  3. 工事当日
  4. 施工完了と動作確認

とくに「V2H機器」設置で補助金を利用する場合は、手順を守って依頼してください。

STEP1. 現地調査と見積もり依頼

まずは依頼先に連絡し、現地調査を依頼します。現地調査は、多くの業者では無料です。

現地調査で業者が確認する主なポイントは、以下の5つです。

  • 分電盤(ブレーカー)の位置と空き回路の有無
  • 分電盤から駐車場までの配線ルートと正確な距離
  • 壁の材質と穴あけの可否・位置
  • コンセントの設置希望位置
  • 現在の電力契約アンペア数と分電盤の電圧

調査後、工事内容と費用が記載された見積書が提示されます。

STEP2. 契約と補助金の申請

見積もり内容に納得したら、次は契約に進みます。もしV2H機器を設置する際の補助金を利用する場合は、必ず契約前に交付申請を行ってください。

補助金の交付申請は契約前に!

V2H機器の補助金を申請するには、施工業者が作成した見積書や工事仕様書が必要です。書類を提出後に審査が行われ、通れば「交付決定通知書」が発行されます。

この「交付決定通知書」を受け取った日付以降でないと、補助金込みの契約・着工はできません。

補助金を利用しない場合は見積もり内容を確認後、正式に契約を結んでください。もし契約アンペア数の変更が必要であれば、このタイミングで手続きを行いましょう。

STEP3. 工事当日

契約した日に電気工事士が訪問し、工事を行います。主な作業工程は、以下の6ステップです。

  1. 作業場所(分電盤周り、壁など)を養生・保護する
  2. 安全のため、ブレーカーを一時的に落とす
  3. 分電盤にEV充電用の専用ブレーカーを増設する
  4. 分電盤から設置場所まで、専用ケーブルを配線する
  5. 壁に穴をあけて配線を出す
  6. 指定位置に充電機器を取り付ける

所要時間は標準で約2時間〜4時間、状況によっては半日程度です。

STEP4. 施工完了と動作確認

工事完了後、安全性確認の作業が入ります。主な作業工程は、以下のとおりです。

  1. 正常に200Vの電圧が出ているかを確認
  2. 漏電の有無や配線をチェック
  3. 充電ケーブルと車両を接続し、実際に充電が開始されるかを確認
  4. 施主立ち会いのもと、使用上の注意点などを説明

全ての問題がないことを確認したら、作業完了報告書にサインして工事は完了です。この際、V2H機器の補助金を利用する場合は、領収書や工事写真を揃えて「実績報告書」を窓口に提出しましょう。

EVコンセント工事で失敗しないための重要ポイント3選

EVコンセント工事で失敗しないために、押さえておくべきポイントを3つ紹介します。

  1. 自宅の電圧とアンペア数を事前に確認する
  2. 費用相場と内訳を正確に把握する
  3. 国や自治体の補助金を工事前に確認する

1. 自宅の電圧とアンペア数を事前に確認する

EVを充電するには、自宅の電圧が200Vであることがほぼ必須です。

分電盤を開け、赤・白・黒の3本線がつながっている「単相3線式」であることを確認してください。もし古い住宅などで、2本線の「単相2線式」の場合は、引き込み工事が必要です。

また、契約アンペア数も重要です。EV充電はドライヤー並みの電力を長時間消費するため、現在の契約が30~40A程度では、ブレーカーが落ちる可能性があります。

現地調査の際に相談し、必要であれば契約容量を50A以上に変更する手続きを取りましょう。

2. 費用相場と内訳を正確に把握する

標準的な壁付けコンセントタイプの費用相場は7万円〜15万円程度ですが、配線距離や壁の材質で費用は変わります

壁付けコンセントタイプの具体的な費用の例

  • 機器本体代:約1万円~3万円
  • 基本工事費:約3万円~5万円
  • 追加工事費:分電盤から設置場所までの配線延長や壁の穴あけなどで変動

見積もりを取る際は総額だけでなく、費用の内訳が明確に記載されているか確認してください。

3. 国や自治体の補助金を工事前に確認する

2025年11月現在、国のCEV補助金は主にV2H機器が対象で、それ以外のコンセント設置は対象外となるケースが多いです。

一方、東京都など自治体の補助金では、コンセント設置工事そのものが補助対象になる場合があります。

必ず工事前に「(お住まいの地域名) EV充電 補助金」で検索し、対象機器や申請条件を確認してください。

【まとめ】EV充電用コンセントの工事業者は慎重に比較検討しよう

EVコンセントは、長期間にわたって利用する重要なインフラです。

「どこに頼んでも同じ」と考えず、費用や安心感、専門性のどれを重視するかで依頼先を選びましょう。

おすすめの依頼先まとめ

  • 安さ重視なら: 地元の専門業者
  • 安心重視なら: 家電量販店
  • 手間重視なら: ディーラー

そして、利用できる補助金がないか、事前チェックを忘れずに行ってください。自分に最適な充電機器を設置して、快適なEVライフをスタートさせましょう。

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