カーボンニュートラルと車の関係とは?自動車メーカーの取り組み・電動車の種類・2035年問題をわかりやすく解説【2026年最新】

更新日: 2026/6/27投稿日: 2025/12/24

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カーボンニュートラルと車の関係とは?自動車メーカーの取り組み・電動車の種類・2035年問題をわかりやすく解説【2026年最新】
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「カーボンニュートラルと車って、具体的にどう関係があるの?」「2035年にガソリン車が買えなくなるって本当?」

自動車の排出するCO2は日本の運輸部門の約9割を占めており、カーボンニュートラル実現のカギを握る存在です。

本記事では、カーボンニュートラルの基本から自動車業界との関係、電動車の種類と特徴、メーカー別の戦略、2026年最新の技術動向まで網羅的に解説します。EV・PHEV・FCVなどどの車を選ぶべきか迷っている方にも役立つ内容です。

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カーボンニュートラルとは?車との関係

カーボンニュートラルの基本的な意味

カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量と吸収量を差し引きゼロにするという概念です。CO2の排出を完全にゼロにするのではなく、排出した分を森林吸収や技術的な回収(CCS等)で相殺し、実質ゼロを目指します。

日本政府は2020年10月に「2050年カーボンニュートラル」を宣言し、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする目標を掲げています。この目標は国際的な合意であるパリ協定にも基づいており、世界150カ国以上が同様の宣言を行っています。

自動車業界が取り組む理由(CO2の19.2%が運輸部門)

日本のCO2排出量のうち、運輸部門は全体の約19.2%を占めています。さらに運輸部門の排出量の約87%が自動車由来であり、乗用車だけでも運輸部門の約46%に達します。

つまり、日本全体のCO2排出量の約8〜9%が乗用車から排出されている計算になります。これは産業部門に次ぐ大きな割合であり、自動車の脱炭素化なくしてカーボンニュートラルの実現は不可能とされています。

部門CO2排出割合備考
産業部門約35%工場・製造業など
運輸部門約19.2%うち87%が自動車由来
業務その他約17%オフィス・商業施設
家庭部門約15%住宅・家電など
エネルギー転換約7%発電所・製油所

2035年ガソリン車販売禁止の本当の意味

「2035年にガソリン車が買えなくなる」という情報が広がっていますが、正確には少し異なります。日本政府が掲げているのは、2035年までに新車販売で電動車100%を実現するという目標です。

ここでいう「電動車」には、BEV(電気自動車)だけでなく、HV(ハイブリッド)、PHEV(プラグインハイブリッド)、FCV(燃料電池車)も含まれます。つまり、ハイブリッド車は引き続き購入可能であり、「ガソリンを一切使わない車しか買えなくなる」わけではありません。

ただし、ガソリンのみで走る「純ガソリン車」は新車として販売されなくなる見通しです。欧州ではEUが2035年以降のエンジン車販売禁止(e-fuelを使う場合を除く)を決定しており、日本以上に厳しい規制が進んでいます。

カーボンニュートラルに貢献する車の種類と特徴

カーボンニュートラルに貢献する車は大きく5種類に分類されます。それぞれの仕組み・メリット・デメリットを理解することで、自分に合った選択ができるようになります。

BEV(バッテリー式電気自動車)

BEVはバッテリーに蓄えた電力のみで走行する純粋な電気自動車です。走行中のCO2排出量はゼロであり、カーボンニュートラルへの貢献度が最も高い車種といえます。

代表車種は日産リーフ、日産サクラ、テスラModel 3/Model Y、BYD ATTO 3などです。航続距離は300〜600km程度が主流で、充電インフラの整備が進むにつれて利便性も向上しています。

一方、充電時間の長さ(急速充電でも30分〜1時間)、寒冷地での航続距離低下、車両価格の高さがデメリットとして挙げられます。

PHEV(プラグインハイブリッド車)

PHEVはバッテリーとエンジンの両方を搭載し、外部充電が可能なハイブリッド車です。短距離はEVモードで走行し、長距離ではエンジンも併用するため、航続距離の不安がありません。

代表車種は三菱アウトランダーPHEV、トヨタRAV4 PHV、トヨタプリウスPHVなどです。日常の通勤・買い物はEVモードで賄い、休日のロングドライブではエンジンも使えるため、実用性と環境性能を両立しています。

HV(ハイブリッド車)

HVはエンジンとモーターを組み合わせて走行する車で、外部充電は不要です。日本で最も普及している電動車であり、ガソリン車比で30〜50%程度の燃費改善が見込めます。

代表車種はトヨタプリウス、トヨタアクア、ホンダフィット e:HEV、日産ノート e-POWERなどです。充電インフラを必要としないため、現時点で最も導入しやすい選択肢といえます。

FCV(燃料電池車)

FCVは水素と酸素の化学反応で発電し、モーターで走行する車です。排出されるのは水のみで、走行中のCO2排出はゼロです。水素の充填時間は約3分と短く、航続距離も約750〜850kmとBEV以上の性能を持ちます。

代表車種はトヨタMIRAI(2代目)、ヒョンデNEXOなどです。ただし、水素ステーションの数が全国で約170か所程度と極めて少なく、インフラ面の課題が大きいのが現状です。

CN燃料車(カーボンニュートラル燃料車)

CN燃料車は、e-fuel(合成燃料)やバイオ燃料など、カーボンニュートラルな燃料を使用するエンジン車です。既存のエンジン技術やインフラをそのまま活用できるため、移行コストが低いというメリットがあります。

e-fuelは大気中のCO2と再生可能エネルギーで製造した水素を合成して作る燃料で、燃焼時のCO2は製造時に回収した分と相殺されます。欧州ではe-fuel使用を条件にエンジン車の販売継続が認められており、ポルシェやトヨタが研究開発を推進しています。

種類動力源走行時CO2航続距離充填/充電時間代表車種
BEVバッテリーゼロ300〜600km30分〜12時間日産サクラ、テスラModel 3
PHEVバッテリー+エンジン少ないEV60km+エンジン併用EV充電2〜4時間三菱アウトランダーPHEV
HVエンジン+モーターガソリン車比-30〜50%800〜1,200km給油3分トヨタプリウス
FCV水素燃料電池ゼロ(水のみ)750〜850km水素充填3分トヨタMIRAI
CN燃料車e-fuel/バイオ燃料実質ゼロ従来同等給油3分開発・実証段階

メーカー別カーボンニュートラル戦略

引用:環境省

各自動車メーカーはカーボンニュートラルに向けて異なるアプローチを採用しています。ここでは日本の主要メーカー6社の戦略を紹介します。

トヨタ(マルチパスウェイ戦略)

トヨタは「マルチパスウェイ」戦略を掲げ、BEV・HV・PHEV・FCV・水素エンジンなど複数の技術を並行して開発しています。「一つの技術に全てを賭けるのではなく、地域や用途に応じた最適解を提供する」という考え方です。

2026年にはBEVの新ブランド車種を投入予定で、全固体電池の実用化も2027〜2028年を目標としています。また、水素エンジンの研究もスーパー耐久レースで実践投入するなど積極的に推進しています。HVでは世界累計2,300万台以上の販売実績があり、電動化のリーダーとしての地位を確立しています。

日産(e-POWER+BEV二刀流)

日産は独自のシリーズハイブリッドシステム「e-POWER」と、BEVの二本柱で電動化を推進しています。e-POWERはエンジンで発電しモーターのみで走行するため、EVに近い走行感覚とガソリン車並みの利便性を両立しています。

BEVではリーフで培った10年以上の量産経験を持ち、軽EVの日産サクラは2022年の発売以来、国内EV販売台数トップを維持しています。2028年度までにBEV19車種を投入する計画で、全固体電池の2028年実用化も目指しています。

ホンダ(2040年EV・FCV100%宣言)

ホンダは2040年までに全世界でのEV・FCV販売比率を100%にするという業界でも最も野心的な目標を掲げています。2030年までにBEVを30車種投入する計画で、2025年にはGMとの共同開発を経た新型EVの投入が始まっています。

北米ではLGエナジーソリューションとの合弁でバッテリー工場を建設中で、生産コストの低減にも取り組んでいます。日本国内では「Honda e:」シリーズを展開し、軽EVのN-VAN e:が2024年に発売されました。

マツダ(内燃機関の高効率化+段階的電動化)

マツダは「SKYACTIV」技術によるエンジンの高効率化を軸に、段階的な電動化を進めています。独自の圧縮着火技術「SKYACTIV-X」は、ガソリンエンジンでありながらディーゼル並みの効率を実現する革新的な技術です。

BEVではMX-30 EV MODELを販売していますが、航続距離は約256kmと限定的です。マツダはバッテリーの大量確保が難しい中堅メーカーの立場から、「適材適所の電動化」を進める方針を表明しています。ロータリーエンジンをレンジエクステンダーとして活用するMX-30 R-EVも欧州で販売中です。

スバル(AWD×電動化の独自路線)

スバルは「AWD(四輪駆動)×電動化」の組み合わせで独自のポジションを目指しています。トヨタとの共同開発BEV「ソルテラ」を2022年に発売し、e-SUBARU GLOBAL PLATFORMによるBEV専用プラットフォームの開発も進めています。

2030年までにBEV8車種を投入する計画で、2028年には次世代BEVの投入を予定しています。スバルの強みであるAWD技術を電動化に融合させ、悪路走破性と環境性能を両立する車づくりを目指しています。

スズキ(軽自動車×電動化で庶民の脱炭素)

スズキは軽自動車を主力とするメーカーとして、「手の届く価格の電動車」を実現することがカーボンニュートラルへの最大の貢献と位置づけています。

2025年にはインドでBEVのeVXを投入予定で、日本市場向けの軽BEVも開発中です。また、インドでのストロングハイブリッド車の展開も加速しており、世界最大のコンパクトカー市場であるインドでの電動化が鍵となっています。スズキはダイハツ・トヨタとの連携で軽商用EVの共同開発も進めています。

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カーボンニュートラル実現に向けた課題

自動車のカーボンニュートラルには多くのメリットがある一方で、解決すべき課題も山積みです。ここでは4つの主要な課題を解説します。

車両価格の高さ

BEVの車両価格はガソリン車と比較して50〜150万円ほど高いのが現状です。価格差の最大の要因はバッテリーコストであり、車両価格の30〜40%をバッテリーが占めています。

政府の補助金(CEV補助金)により最大85万円の補助が受けられますが、それでもガソリン車より割高感があります。BEVの価格がガソリン車と同等になる「パリティ」は2027〜2028年頃と予測されており、バッテリーコストの低下が鍵を握ります。

充電インフラの不足

日本のEV充電器の設置数は約3万基(2026年時点)で、政府目標の「2030年までに30万口」にはまだ大きな開きがあります。特に急速充電器は約1万基にとどまり、ガソリンスタンド約2.8万か所と比較しても不十分です。

マンション・アパートなど集合住宅での充電環境の整備が特に遅れており、持ち家でない世帯がBEVを導入するハードルは依然として高い状況です。高速道路のSA・PAでは充電待ちの行列が発生するなど、既存インフラの増強も求められています。

バッテリー原材料の調達リスク

リチウムイオン電池の主要原材料であるリチウム、コバルト、ニッケルは特定の国・地域に偏在しており、サプライチェーンリスクが指摘されています。

  • リチウム:オーストラリア、チリ、中国で世界生産量の約90%を占める
  • コバルト:コンゴ民主共和国が世界生産量の約70%を占め、児童労働問題も指摘されている
  • ニッケル:インドネシア、フィリピンが主要産出国で、精錬過程での環境負荷が問題視されている

これらの原材料の価格変動はバッテリーコストに直結し、EV普及のペースにも影響を与えます。リサイクル技術の確立や代替材料の研究が急務となっています。

サプライチェーン全体の脱炭素化

走行時のCO2排出をゼロにしても、車の製造過程・バッテリー生産・発電段階でCO2を排出していては、真のカーボンニュートラルとは言えません。LCA(ライフサイクルアセスメント)の観点で、車のゆりかごから墓場まで全体を評価する必要があります。

例えば、BEVは走行時のCO2排出はゼロですが、バッテリー製造には大量のエネルギーを消費します。石炭火力発電が多い国で充電した場合、HVと比較してトータルのCO2排出量が同程度になるケースもあります。日本では電源構成の脱炭素化(再エネ比率の向上)が、BEVの環境メリットを最大化するために不可欠です。

2026年最新動向

引用:日産公式サイト

2026年はカーボンニュートラルに関連する技術革新が加速しています。ここでは注目すべき4つの最新トピックを紹介します。

全固体電池の実用化が加速

全固体電池は、従来のリチウムイオン電池の液体電解質を固体に置き換えた次世代バッテリーです。充電時間の大幅短縮(10分で80%充電)、航続距離の倍増(1,000km以上)、安全性の向上が期待されています。

トヨタは2027〜2028年の実用化を目標に開発を進めており、日産も2028年度中の搭載車発売を計画しています。中国のCATLも全固体電池の量産計画を発表しており、世界的な開発競争が激化しています。全固体電池の実用化はBEVの弱点を一気に解消する可能性を秘めており、自動車業界のゲームチェンジャーとなる技術です。

ホンダ「Honda 0(ゼロ)シリーズ」とSuper ONE

ホンダは2026年に新EVブランド「Honda 0(ゼロ)シリーズ」の第1弾モデルを北米で発売予定です。独自開発のEV専用プラットフォームと自社製バッテリーを採用し、航続距離・走行性能で既存EVを上回ることを目指しています。

また、次世代の独自OS「Super ONE(Operating system for New Era)」を搭載し、OTA(無線通信)によるアップデートで車の機能を継続的に進化させます。SDV(ソフトウェア定義車両)の考え方を取り入れ、テスラに対抗するEV戦略の柱と位置づけています。

LFP電池の普及拡大

LFP(リン酸鉄リチウム)電池は、コバルトやニッケルを使用しないバッテリーで、コストが低く安全性が高いという特徴があります。中国のBYDやCATLが量産をリードしており、テスラもエントリーモデルにLFP電池を採用しています。

従来はエネルギー密度の低さ(=航続距離の短さ)がデメリットでしたが、技術改良により三元系電池に迫る性能を実現しつつあります。2026年にはLFP電池搭載のBEVが増加しており、300万円台のBEVが登場する原動力となっています。原材料の調達リスクも低いため、持続可能なEV普及を支える技術として注目されています。

欧州規制の見直しとe-fuel

欧州では2035年以降のエンジン車販売禁止が決定されていますが、2023年にドイツの強い要請により「e-fuel使用車は例外とする」修正が加えられました。この修正により、内燃機関の技術が完全に消滅するシナリオは回避されています。

さらに2026年にはEUが2035年規制の中間レビューを実施予定で、BEV偏重の方針が修正される可能性が議論されています。PHEVやe-fuelの役割が見直される動きもあり、「技術中立」を掲げる日本のマルチパスウェイ戦略が再評価される局面が増えています。

カーボンニュートラルと車に関するよくある質問

引用:トヨタ公式サイト

カーボンニュートラルで車はどう変わるの?

新車販売がBEV・HV・PHEV・FCVなどの電動車中心にシフトします。2035年以降、日本では純ガソリン車の新車販売が実質的に終了する見通しです。ただし、中古車市場ではガソリン車は引き続き流通し、すぐに乗れなくなるわけではありません。カーシェアや自動運転との融合も進み、「所有する車」から「利用するモビリティ」への転換も加速すると予測されています。

電気自動車は本当に環境に優しいの?

走行時のCO2排出はゼロですが、バッテリー製造や発電段階を含めたLCA(ライフサイクル全体)で評価する必要があります。日本の現在の電源構成では、BEVのライフサイクルCO2排出量はHVと同程度という試算もあります。ただし、再生可能エネルギーの比率が上がれば、BEVの環境メリットは大幅に拡大します。

2035年以降もガソリン車に乗れる?

はい、乗れます。規制対象はあくまで「新車販売」であり、中古車の売買や既存のガソリン車の使用は制限されません。ただし、ガソリンスタンドの減少やガソリン価格の上昇、自動車税の優遇見直しなどにより、ガソリン車の維持コストが上がる可能性はあります。

カーボンニュートラルに一番貢献する車種は?

再生可能エネルギーで充電したBEVが最もCO2排出量が少ないとされています。ただし、使い方や地域によって最適な車種は異なります。長距離移動が多い方にはPHEV、充電インフラが整っていない地域ではHV、水素ステーションが近くにあればFCVなど、自分の使い方に合った電動車を選ぶことが大切です。

【まとめ】カーボンニュートラルと車の関係を理解して最適な選択をしよう

引用:マツダ公式サイト

カーボンニュートラルと車の関係を一言でまとめると、「日本のCO2排出の約1割を占める乗用車を電動化し、走行時の排出量を実質ゼロに近づけること」です。

2035年の新車電動車100%目標に向けて、BEV・PHEV・HV・FCV・CN燃料車の5つの選択肢があり、トヨタのマルチパスウェイ戦略やホンダの2040年EV100%宣言など、各メーカーが独自のアプローチで取り組んでいます。

2026年は全固体電池の開発加速、LFP電池の普及拡大、欧州規制の見直しなど、重要な転換点を迎えています。自分のライフスタイルに合った電動車を選ぶことが、カーボンニュートラルへの第一歩です。最新の技術動向をチェックしながら、賢い車選びに役立ててください。

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