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さいたま市内で初、大型バスの自動運転の導入に向けた取組みを開始

更新日: 2025/10/8投稿日: 2025/9/30

リリース
さいたま市内で初、大型バスの自動運転の導入に向けた取組みを開始

さいたま市は、自動運転レベル4の実装に向けた課題把握の実証実験行うため、国土交通省「地域公共交通確保維持改善事業費補助金(自動運転社会実装推進事業)」に採択されました。

2025年7月には取組みの課題や対策等について情報共有や議論をする、「さいたま市レベル4モビリティ・地域コミッティ」を立ち上げるなど、精力的な活動を続けています。

2025年9月下旬ごろからは、自動運転レベル4の実装に向けて、北浦和駅西口から埼玉大学間を対象とした実証実験を行う予定です。

※自動運転レベル4:場所や天候、速度などの特定条件下で、自動運転システムが車の全ての運転操作を行う完全自動運転

本記事では、さいたま市の実証実験の内容について詳しく説明します。

実証実験の概要

参考:さいたま市公式ホームページ

2025年9月下旬から行われる実証実験の概要は、次の通りです。

運行区間北浦03系統(北浦和駅周辺~埼玉大学)
走行距離約4km(片道)
乗降場所北浦和駅西口(乗降可)、南与野駅北入口(降車のみ)、埼玉大学(乗降可) 
自動運転レベルレベル2
自動運転バスの操作を習得した運転士が乗務し、常時ハンドル・ブレーキ操作可能な態勢を取り、状況に応じて手動運転に切り替えて走行.
使用車両いすゞ自動車株式会社製大型バス「エルガ」(自動運転仕様)
最高速度40km/h(自動運転走行時)

実証実験は、まずは自動運転レベル2(特定条件下での自動運転機能)で行い、最終的にレベル4の実装へと進めていく予定です。

今回利用される大型バス「エルガ」(自動運転仕様)に搭載されている主な車両装備は、次のとおりです。

名称(設置数)役割
LiDAR(8個)光検出・測距の略称で、赤外線レーザーの反射光により対象物までの距離や形を計測
自己位置推定や障害物検知などを行う
ミリ波レーダー(2個)ミリ波で対象物との距離を計測
遠方から接近する車両の検知などを行う
カメラ(7個)高画質なカメラにより明暗差の大きな環境での撮影が可能
信号機の灯色や標識の把握、遠隔監視などを行う
雨滴センサー(1個)フロントガラスに付着した雨滴を検知
雨や霧などの悪天候下においてワイパーの動作制御や他のセンサーとの連携によるシステムの補助などを行う
GNSSアンテナ(1個)衛星測位システムの略称で、衛星からの信号を受信して高精度で自己位置を計測
3次元地図上で走行軌跡の把握などを行う
IMU(1個)慣性計測装置の略称で、加速度センサーと角速度センサーにより車両の姿勢や向きの変化を計測
GPSの測位が困難なトンネル内などにおいて、他のセンサーとの連携により自己位置の把握などを行う

参考:さいたま市公式ホームページ

自動運転サービス導入の背景

さいたま市内の高齢化率は年々上昇しており、2045年には3割を超える予測となっています。また、2024年問題(ドライバーの時間外労働時間が制限される制度)や働き方改革の影響により、バス運転手の確保が困難になっているのが現状です。

実際、市内の一部バス路線においては、廃止や減便が行われています。

引用:日本バス協会

さいたま市はこれらの状況を踏まえて、運転手不足への対応を図り、公共交通サービスの維持・向上を目指すために、自動運転バスの導入を目指しています。

まずは、市内でもバス本数が多い路線において、大型バスの自動運転レベル4の実装を目指していく予定です。

さいたま市レベル4モビリティ・地域コミッティとは

地域コミッティは、レベル4自動運転サービスの実現を加速するための会議体です。

地方公共団体や関係行政機関、事業者などが連携体制を構築することで、手続きの透明性や公平性を確保し、スムーズに自動運転レベル4の実装を進められるように情報共有や議論を進める場として用いられます。

さいたま市では2025年8月に地域コミッティが発足し、8月1日にはキックオフ会議が開催されました。

今後も大型バスの自動運転レベル4実装に向けて、様々な取り組みを進めていく予定です。

参考:
さいたま市内で初めて、大型バスの自動運転の導入に向けた取組みを開始します! – PR TIMES
令和7年度自動運転バス実証実験 – さいたま市

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